前回は「Microsoft Teams」でどのようなことができるかを紹介した。そこで今回は、実際のビジネスシーンにおける具体的な活用例を見ていこう。

議題ごとにやり取りできる“スレッド型”チャット

「Microsoft Teams」のチャットは、個人やグループに対してリアルタイムにメッセージを送り、円滑なコミュニケーションを実現することができる。しかしそれ以外にも「チーム」や「チャネル」という階層構造を用いた使い方が非常に便利なのだ。

「Microsoft Teams」では「チーム」という大枠によって、必要な情報を共有する複数のグループが定義できる。このチームは情報の公開・非公開を設定可能で、たとえば「営業部」「開発部」といった部署ごとのチーム分けが一般的だろう。さらにチーム内には、複数の「チャネル」を作成することが可能。たとえば開発部の場合、「開発1課/開発2課」など組織図に基づくチャネルはもちろん、「○○プロジェクト進捗管理」や「バグフィックス管理」といった業務内容に基づくチャネルも自由に作成できる。

チャネル内における会話タブのチャットでは、SNSのような“スレッド型”でメッセージのやり取りを行えるのが特徴といえる。個人・グループチャットは、ひとつの議題に対して話し合う場合は非常に便利だが、複数の議題が発生するとどうしても会話の流れが把握しづらくなってしまう。しかしチャネル内における会話なら、新しい議題が発生した際にスレッドを作成し、その中でスムーズに話を進められるわけだ。たとえば、あるプロジェクトの進行中に生まれた新規開発案件を別スレッドで話し合い、そこから派生したサブプロジェクトを新規チャネルとして立ち上げる、といったことも容易に行える。

「いいね」を使った簡易ワークフローで承認速度がアップ

「Microsoft Teams」のチャットにおけるもうひとつのポイントは、コメントに対してSNSライクな「いいね」がつけられる点にある。これはシンプルかつ迅速なコミュニケーションを可能にするだけでなく、簡易ワークフロー的な使い方も実現してくれるのだ。

たとえばあるシステム開発企業では、高額なワークフローシステムを導入することなく、「Microsoft Teams」だけでスピーディーな稟議処理を可能にしている。この企業では、社内外のユーザーと「Microsoft Teams」で開発案件の具体的な内容を話し合い、具体案と必要な予算が出揃ったら稟議書をメッセージで送信。これに対して決裁者が「いいね」を押したら承認、という非常にシンプルなものだ。

「たったそれだけ!?」と思うかもしれないが、組織内のルールさえ徹底していればむしろこれで十分。「Microsoft Teams」はPCだけでなく、スマートフォンやタブレットからもアクセスできるので、たとえ上長が外出中でもスピーディーに承認が行える。実際にこの企業では、これまでメールを使って約1週間かかっていた稟議通過に要する期間が、わずか数時間単位にまで大幅に短縮できたという実績もある。

ちなみに今回は、システム開発企業における稟議処理としての使い方を紹介したが、企業には交通費精算から決裁まで、スピーディーな承認が求められる機会は非常に多い。そうした中で「Microsoft Teams」の「いいね」を用いた簡易ワークフローは、さまざまなビジネスシーンに使える汎用性の高い仕組みといえるだろう。

手間なくスピーディーに「いいね」で採決

できるだけ迅速にメンバーの採決をとりたい場合には、コメントに対する「いいね」を投票機能として利用する方法が便利だ。事前に「いいねの数がメンバーの過半数に達したら採択」といったルールを決めておき、チャットに採決の旨とその内容を記載すれば、あとはメンバーの確認と「いいね」を待つだけ。会議のスケジュールを調整したり、メールの返信を1通ずつチェックしたりといった手間もなく、簡単かつスピーディーに採決がとれるようになる。

このように「Microsoft Teams」を使うと、ビジネスにおいて非常に重要な意思決定のスピードを大幅に加速することができる。それでは次回も引き続き、ビジネスシーンにおける具体的な活用例を紹介していこう。

監修:別所 貴英(べっしょ・たかひで)

2002年、株式会社サテライトオフィス入社。数々のWebシステム案件のプロジェクトマネージャーを担当。2013年、Microsoft 365ビジネスに特化した株式会社ネクストセットの設立にともない代表取締役に就任。2,000社以上の企業にアドオンサービスを導入し、利用ユーザー数は100万人を超える。

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