• 彷徨えるアイコン

Windowsのタスクバーは、Windows 95で採用された(写真01)。それ以前のWindows 2.x、3.xや4.0以前のWindows NTでは、最小化したウィンドウのアイコンはデスクトップに置かれていた(写真02)。これは、Windowsだけでなく、それまでのGUIでは、通常の振る舞いだった。

  • 写真01: Windows 95で装備されたスタートメニューとタスクバー、システムトレー

    写真01: Windows 95で装備されたスタートメニューとタスクバー、システムトレー

  • 写真02: 画面、左下にあるファイルキャビネットのアイコンが、ファイル・マネージャ(現在のエクスプローラーに相当)のアイコン。このアイコンはドラッグしてデスクトップの好きな場所に移動できた

    写真02: 画面、左下にあるファイルキャビネットのアイコンが、ファイル・マネージャ(現在のエクスプローラーに相当)のアイコン。このアイコンはドラッグしてデスクトップの好きな場所に移動できた

Windows 95でタスクバーが採用されたのは、ユーザーが、アイコンを見失うことが多かったからだ。当時のディスプレイの解像度は低く、たとえば、640x480(VGA)~1024×768(XGA)あたりで、2~3枚もウィンドウを広げるとデスクトップがほとんど隠れてしまい、アイコンがどこにあるか分からなくなってしまう。このために、最小化したウィンドウの置き場所としてタスクバーが作られた、当時は、アイコンとアプリ名を組み合わせた板状のもので、正式には「タスクバーボタン」と呼ばれていてアイコンではなかった。このとき、フォルダやファイル(ショートカット)を表すアイコンと、ウィンドウを表すオブジェクトに明確に区別が付いた。

もっとも、1985年のWindows 1.xは画面を分割して使うタイリングウィンドウシステムを採用していたが、このときには、最小化したウィンドウは、画面下部に表示されるようになっていた。そういう意味では、タスクバーは、Windows 1.xの機能にルーツを持つといってもいいだろう。なお、Windows 95のGUIは、放棄されたCairo(コードネーム)のGUIの一部を流用して作成したという。このため、タスクバー右端の部分を「システムトレー」と呼ぶ。本来なら、ほかの「トレー」もあったのだが、結果的には、システムトレーのみ残り、「引き出し」(トレー)的なイメージも失われた。

Windows 10では、タスクバーの改良が進んだ。その1つが、タスクバーの位置を動かす機能だ。この機能は、モニターごとにタスクバーの位置を変更できるため、たとえば、上下に並んだモニターの上は、タスクバーを上部に動かして、モニターの間にウィンドウを置いてもタスクバーに隠されないようにできる。

ところが、Windows 11になると、タスクバーを含めて、デスクトップを構成するエクスプローラーが改良され、この機能は失われる。将来に向けて、大きな改良があり、旧来の機能すべてを実装する時間がなかった、あるいはタスクバーの移動に関しては優先度が小さかった可能性がある。

代わりに、スタートボタンやタスクバーアイコンをセンター寄せにする機能やガジェットが追加された。ガジェットやセンター寄せの機能と、タスクバーの移動を比べれば、筆者は、タスクバーの移動を取りたい。高解像度のディスプレイでは、たしかに左寄せのアイコンよりも、センター寄せのほうが便利な反面、右寄せには、Windows 95からの長い習慣があり、マウスが自然に動く。

現在、プレビュー中のWindows 11 Ver.26H2には、タスクバーを移動させる機能(写真03)が搭載されており、このまま順調にいけば、この機能が次のWindows 11で提供される予定だ。

  • 写真03: プレビュー版Windows 11の移動できるタスクバー

    写真03: プレビュー版Windows 11の移動できるタスクバー

今回のタイトルネタは、ジャック・キャンベルの「彷徨える艦隊シリーズ」(早川SF文庫。Jack Campbell, THE LOST FLEET DAUNTLESS, 2006)である。宇宙の「艦隊もの」なのだが、主人公は、宇宙空間で100年を経過して発見された伝説の英雄である。100年の間に軍隊はパターン化され、統制を失いつつあった。そこに100年前の生粋の軍人が司令官になり、軍隊として再組織化し、本来の戦闘方法を教えていく。そういう話は今ではそう珍しくはなく、たとえば、日本でも放映された1979年の米国テレビドラマ「Buck Rogers」と同じパターンである。

Buck Rogers in the 25th Century (film) - Wikipedia

ここにいわゆる伝統的な「海の男」的な海洋小説が展開する。

第一シリーズだけで6冊、続編5冊、外伝で3冊、スピンオフ4冊、前日譚3冊の計21冊。うち17冊が翻訳されている。