第98回米アカデミー賞主演女優賞ノミネートなど映画祭・賞レースを席巻した話題作『ワンオペレーション』(公開中 配給:東京テアトル、シンカ)でカメオ出演しているクリスチャン・スレイターの場面写真が公開となった。
『ワンオペレーション』は、育児や家事、仕事を一人で背負う"ワンオペレーション"という現代社会の構造的問題を、スリラー、心理ドラマ、ダークコメディが融合した予測不能な物語として描く。主人公の日常とアイデンティティーが崩壊していく悪夢を、観る者に追体験させる本作の製作は、気鋭スタジオのA24。
監督・脚本を手がけたのは、本作が長編2作目となるメアリー・ブロンスタイン。心理学の修士号を持ち、国立病院で子供を対象としたプレイセラピーに携わった経験もある彼女が、重病の娘とモーテルで暮らした自身の実体験をもとに脚本を執筆。主人公の視点に徹底的に寄り添う没入型の演出と、生々しい現実感と不条理な展開が入り混じる独創的な映像表現で、鑑賞者を終わりの見えない"ワンオペ地獄"へと引き摺り込む。
プロデューサーには、『ワン・バトル・アフター・アナザー』(2025)などを手がけたサラ・マーフィをはじめ、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(2025)で監督・脚本を務めたジョシュ・サフディらが参加。編集には、アリ・アスター監督のすべての長編作品の編集を手掛けてきたルシアン・ジョンストンが担当している。
主人公リンダを演じるのは、ローズ・バーン。本作では、仕事、家事、育児――すべてを一人で抱え込み、少しずつ心の均衡を失っていく主人公リンダを演じ、その張り詰めた日常をリアルに体現している。極限まで追い詰められながらも、なお日常を維持しようともがく一人の女性を圧倒的な存在感で演じ切った。その演技は世界中の映画メディアから絶賛され、Varietyは「今年を代表する名演のひとつ」、Colliderは「これまでで最高の演技」、RogerEbert.comは「見事で、一切ひるまない演技」、The Guardianは「圧巻の演技」と評するなど、各国の批評家から絶大な称賛を集めた。その高い評価は、第75回ベルリン国際映画祭銀熊賞(主演俳優賞)、第83回ゴールデン・グローブ賞最優秀女優賞(ミュージカル/コメディ部門)の受賞、第98回米アカデミー賞主演女優賞ノミネートへと結実し、ローズ・バーンのキャリアを代表する一作となった。
この度、長期出張中のため映画の大部分で"電話の向こう"に存在していた、リンダの夫チャールズが姿を現す場面写真が公開となった。演じるのは、クリスチャン・スレイター。電話越しの声だけで描かれてきたチャールズが、物語の終盤で姿を現し、観客を驚かせる意外な登場を果たしている。電話越しでは"心配性でやかましい夫"にも見える彼が、実際にリンダと向き合ったとき、どのような姿を見せるのか――その登場は、観客に思わぬ驚きをもたらす。今回公開となった場面写真では、そんなチャールズの姿を捉えている。
家事、育児、仕事――あらゆるものを一人で背負い、心身ともに限界へと追い詰められていくリンダ。原因不明の病を抱える幼い娘のケアに加え、セラピストとして患者たちの問題にも向き合う彼女の日常には、次から次へと予期せぬ出来事が降りかかる。そんな彼女に追い打ちをかけるように、スマートフォンへ繰り返しかかってくるのが、長期出張中の夫チャールズからの電話だ。
客船の船長を務めるチャールズは、海の上からリンダを心配し、電話越しにあれこれと口を出してくる。リンダが置かれている状況を気にかけながらも、彼女が今何を求めているのかを理解できず、良かれと思って発する言葉が、かえってリンダを苛立たせてしまう。
そんなチャールズを演じるのは、『トゥルー・ロマンス』(1993)『ヘザース/ベロニカの熱い日々』(1988)をはじめ、『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』(2015〜19)など、幅広い作品で存在感を放ってきたクリスチャン・スレイター。1980年代からハリウッドで活躍を続け、主演から個性派まで幅広い役柄を演じてきた彼が、本作では意外性のあるカメオ出演を果たしている。
メアリー・ブロンスタイン監督は、チャールズについて「私たちは皆、あの感覚を知っていると思う。愛する人が壊れかけているのに、そばにいてあげることができず、無力感を抱くこと。それと同時に、この男が何を言っても、必ず相手を不快にさせてしまうという感覚もある」と語っている。
さらに監督は、「リンダのように不安にもがいている人は、慰められたいわけではない。『大丈夫だよ』なんて言ってほしくもない」としたうえで、「問題の外側にいる人間には――チャールズがそうであるように――どうすれば適切に助けられるのかなんて、分かるはずがない」と説明する。
そして「映画を観た男性の多くは、チャールズに感情移入するみたい」と監督が語るように、彼は単なる"口うるさい夫"ではない。心配しているのに、何を言っても相手を不快にさせてしまう。そんなチャールズの姿にも注目していただきたい。
■ストーリー
家事と育児、セラピストの仕事に追われるリンダ(ローズ・バーン)は、原因不明の病を抱える幼い娘の世話に追い詰められていた。顧客の患者への対応、娘の担当医からの叱責、出張中の口うるさい夫からの電話──休まる暇もない日々の中、自宅アパートの天井が突然崩落し、娘とともに海辺の格安モーテルへ移り住むことに。誰にも頼れない孤独のなかで限界を迎えた彼女は、思いもよらぬ事態へと飲み込まれていく──。
■出演者
リンダ:ローズ・バーン
リンダのセラピスト:コナン・オブライエン
ジェミー:エイサップ・ロッキー
キャロライン:ダニエル・マクドナルド
■スタッフ
監督・脚本:メアリー・ブロンスタイン
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