2019年に開催されて以来、この世の映画好事家を驚かせる作品を次々と上映してきた「奇想天外映画祭」が今年も新宿K's cinemaで開催される。会期は9月12日〜10月16日の5週間。

「奇想天外映画祭 2026」が9月12日より新宿K's cinemaで開催

「奇想天外映画祭 2026」が9月12日より新宿K's cinemaで開催

今年のメイン作品は2本。まずは、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001〜3)でも知られるピーター・ジャクソン監督が、デビュー作『バッド・テイスト』(1987)に続いて放った異色の問題作『ミート・ザ・フィーブルズ』。ぬいぐるみのようなマペット人形による奇想天外なブラック・コメディーが満を持しての上映となる。 2本目は、『ショック療法』(1973)などで知られるアラン・ジェシュア監督が実写にコミックを融合し、現実と幻想を交錯させて描いたカンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞作『コミック・ストリップ・ヒーロー』(1967)。コミックの原画は1960年代に「ポップアートのバンド・デシネ(漫画)」と呼ばれたギィ・ペラートが担当。当時、ゴダールやゲンズブールも虜にしたというギィ・ペラートのポップ感覚に溢れた世界が見ものだ。

他作品は、ヘルマン・ヘッセが1927年に発表した同名小説の映画化『ステッペンウルフ/荒野の狼』(1974)、フランスの作家、詩人で『日々の泡』や『北京の秋』など前衛的な作風の小説で知られるボリス・ヴィアンの 946年に発表した小説の映画化『墓にツバをかけろ』(1959)、衝撃のラスト・シーンが語り継がれるZ級ホラー怪作『サマーキャンプ・インフェルノ』(1983)、フランスの貴族で作家、哲学者として知られる マルキ・ド・サドを巡る風刺コメディー『マルキ』(1989)。人物はすべて着ぐるみの動物キャラで演じられ、全編がエロス溢れるシュールな異色のカルト映画だ。

また 1949年の『三人の妻への手紙』と1950年の『イヴの総て』で、2年連続アカデミー監督賞・脚色賞を受賞した名匠ジョーゼフ・マンキーウィッツ監督の遺作『探偵スルース』(1972)、原作は17世紀のトマス・ミドルトンの同名戯曲にして、イギリス的な階級制度を背景にした荒んだ暴力的な近未来世界を舞台に描かれるアレックス・コックスの2002年の監督作『リベンジャーズ・トラジディ』、アメリカ時代末期のフリッツ・ラング監督による珍しいコスチューム・プレイの冒険アクション映画『ムーンフリート』(1955)も上映される。

さらに、昨年の奇想天外映画祭でも好評を博した作品が2本アンコール上映される。1本目は中平康監督『闇の中の魑魅魍魎』(1971)。本作で麿赤兒が演じた幕末土佐の天才絵師"絵金"は本年が生誕150年。続けて、アンコール上映の声が多かったケン・ラッセル監督の狂乱のカルト映画『肉体の悪魔』(1971)も再上映が決まった。

今年も絶対に見逃せないラインナップが揃った。是非、劇場で堪能して欲しい。