スマホもタブレットも、最近はすっかりUSB Type-Cで充電できるようになりました。となると充電器も、iPhoneともう1台をまとめて挿せる「USB Type-C×2」タイプが1個あると便利ですよね。しかもGaN(窒化ガリウム)採用のコンパクトなものなら、カバンに放り込んでもかさばりません。そんな充電器を物色していたところ、ドン・キホーテでエレコムの「EC-AC9335BK」を発見しました。

  • ドン・キホーテ店頭で発見。販売価格は1,580円(税込1,738円)でした

    ドン・キホーテ店頭で発見。販売価格は1,580円(税込1,738円)でした

USB PD 35Wに対応し、USB Type-Cポートを2つ備えたGaN充電器です。今回購入したブラックはすでにメーカーが販売終了としている型落ちモデルですが、価格が1,580円(税込1,738円)とかなりお安く販売されていました。店頭のQRコードで製品ページをチェックすると、標準価格は税抜3,480円(税込3,828円)とのことなので、実に半額以下ということになります。これは買わずにはいられませんでした。

  • 商品名:USB Power Delivery 35W AC充電器(USB Type-C×2)
  • 型番:EC-AC9335BK
  • メーカー:エレコム
  • 購入場所:ドン・キホーテ
  • 購入価格:1,580円(税込1,738円)
  • 標準価格:3,480円(税込3,828円)
  • カラー:ホワイト、ブラック(今回は在庫限りのブラックを購入)
  • ポート:USB Type-C×2
  • 最大出力:単独接続時35W(PPS時30W)
  • 2ポート同時使用時:合計最大27.5W(USB Type-C1:最大20W、USB Type-C2:最大7.5W)
  • 外形寸法:約W45.5×D34.4×H29.8mm
  • 重量:約71g
  • 対応規格:USB Power Delivery、PPS
  • プラグ:90度スイング構造
  • 保証期間:1年間

ブラックは販売終了、だからこそ安い?

まず魅力なのが、なんといっても価格です。「EC-AC9335BK」の標準価格は税込3,828円。それが今回、ドン・キホーテでは税込1,738円で販売されていました。半額以下ならかなりお買い得感があります。

「販売終了」と聞くと少し不安になりますが、終了しているのは今回購入したブラックモデル。仕様が同じホワイトの「EC-AC9335WH」は現在も発売中なので、EC-AC9335シリーズそのものがなくなったわけではありません。

また、PSE(電気用品安全法)の対象となる特定電気用品として適合し、保証期間も1年間とのこと。型落ちだから機能的に古すぎるという感じでもなく、ブラックの在庫が安く買えると考えれば悪くありません。

  • 購入した「EC-AC9335BK」のパッケージ。ブラックモデルはメーカー販売終了品です

    購入した「EC-AC9335BK」のパッケージ。ブラックモデルはメーカー販売終了品です

約71gのコンパクトボディ、プラグも折りたためる

手に取ってまず感じるのは、そのコンパクトさです。外形寸法は幅約45.5×奥行き約34.4×高さ約29.8mm、重量は約71g。USB Type-Cを2ポート備えた充電器としては持ち歩きやすいサイズ感です。

エレコムによると、GaN II(窒化ガリウム)の採用により、MacBook Airに付属する35W電源アダプターと比べて50%以上の小型・軽量化を実現したとのこと。出張や旅行などで荷物を少しでも減らしたいときにも良さげです。

  • 手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズ

    手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズ

  • iPhone 17 Proと並べてサイズを比較してみました

    iPhone 17 Proと並べてサイズを比較してみました

さらに、コンセントプラグは90度回転させて本体側へ折りたためます。カバンに放り込んだときにプラグが飛び出さず、ほかの小物にも引っかかりにくい。日常的に持ち歩くことが多い充電器だけに、プラグ収納式はやっぱり良きです。

  • コンセントプラグは90度回転するスイング構造。使用しないときは本体側へ折りたためます

    コンセントプラグは90度回転するスイング構造。使用しないときは本体側へ折りたためます

1台だけ充電するなら最大35W、スマホ用には十分余裕

USB Type-Cポートは2つありますが、1台だけ挿して使うぶんには、どちらのポートもUSB PDで最大35W(電圧を細かく調整して効率よく充電するPPSでは最大30W)に対応します。

これは実機でも確認できました。手持ちのMacBook AirとMacBook Pro 14インチをそれぞれ単独でつなぐと、どちらのポートに挿しても、macOSの「システム情報」のバッテリー欄には電源アダプタ「35W」と表示されました。エレコムも、MacBook Airに付属する35W電源アダプターと同じ速度で充電できるとうたっています。

また、iPhone 17 Proを1台だけ挿した場合も、どちらのポートでも30W前後で充電できました。iPhoneでは充電中のワット数を画面で確認できないため、USB接続のワットチェッカーを使って測定。撮影時には31.7Wを確認できました。

  • 1台だけ接続した場合。MacBook Airは「システム情報」で35Wと認識され(左)、iPhone 17 Proではワットチェッカーが31.7Wを示しました(右)

スマホの急速充電には十分余裕がありますが、あくまで最大35W。MacBook Proのように本来もっと大きな電力を求めるノートPCでは、充電に時間がかかったり、使用状況によってはバッテリーへの充電が追いつかなかったりする場合があります。「スマホ中心、ときどき対応ノートPC」くらいの使い方がちょうどいい感じです。

いちばんの注意点は「2台同時」の出力

さて、本製品でいちばん気になったのがここです。パッケージには「MacBook AirもiPhoneもこれ1台!」といった便利そうな使い方がアピールされていて、USB Type-Cが2ポートあるなら「2台まとめて高速充電できる」と期待したくなりますよね。

ところが、2つのポートに同時に挿すと、出力の合計は35Wではなく27.5Wまで下がります。しかも、その内訳がかなり偏っています。

よく見ると本体の各ポートには「35W/20W」「35W/7.5W」と印字されています。上側がUSB Type-C1ポート(以下、C1)、下側がUSB Type-C2ポート(以下、C2)です。1台だけならどちらも最大35Wですが、2台同時使用時にはC1が最大20W、C2が最大7.5Wとなります。

  • 上側がUSB Type-C1ポート(C1)、下側がUSB Type-C2ポート(C2)。単独使用時はどちらも最大35Wですが、2台同時使用時はC1が最大20W、C2が最大7.5Wとなります

    上側がUSB Type-C1ポート(C1)、下側がUSB Type-C2ポート(C2)。単独使用時はどちらも最大35Wですが、2台同時使用時はC1が最大20W、C2が最大7.5Wとなります

実際に試してみました。まずC1ポートにMacBook Airだけをつなぐと、macOSの「システム情報」では35Wと認識されます。そのままC2ポートにiPhone 17 Proを挿すと、MacBook Air側の表示は20Wに切り替わり、iPhone側はワットチェッカーで7.0Wを示しました。公称の「最大20W+最大7.5W」という出力配分に沿った挙動です。

  • C1ポートにMacBook Air、C2ポートにiPhone 17 Proを接続。MacBook Airは20Wと認識され(左)、iPhoneはワットチェッカーで7.0Wを示しました(右)

では、挿す場所を逆にしたらどうなるのでしょうか。

C2ポートへMacBook Airだけをつなぐと、「システム情報」では同じく35Wと認識されます。そこへC1ポートにiPhone 17 Proを挿すと、MacBook Air側は8W表示に切り替わりました。しかもこのとき「システム情報」の「充電中」は“いいえ”。少なくとも今回の測定時には、8Wと認識された状態でバッテリーは充電されていませんでした。一方、C1ポート側のiPhoneはワットチェッカーで19.8Wを示しました。

  • 接続を逆にして、C2ポートにMacBook Air、C1ポートにiPhone 17 Proを接続。MacBook Airは8Wで「充電中:いいえ」と表示され(左)、iPhoneは19.8Wを示しました(右)

つまり、2台同時に使う場合は挿すポートがかなり重要です。より速く充電したい機器は、最大20Wが割り当てられる「35W/20W」(C1ポート)側へ挿すのが正解。もう一方のC2ポートは最大7.5Wなので、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなど、比較的消費電力の小さい機器をつなぐのがちょうどいい感じです。

挿す場所を逆にすると、急ぎたいノートPCが7.5W級の低出力側になってしまうので要注意です。逆にいえば、MacBook AirとiPadを2台ともガッツリ急速充電、といった使い方には不向き。フルパワーの35Wを引き出せるのは、あくまで1台だけ挿したときです。「USB Type-C×2」というスペックだけを見て「2台とも急速」を期待すると、ちょっと肩透かしかもしれません。

とはいえ、「メインの1台をC1ポートで充電しつつ、もう1口はイヤホンやApple Watchのサブ充電」と割り切れば、この配分でも困る場面は少なそう。2ポート目は「おまけ」くらいに考えておくと、ちょうどいい感じです。

使用温度「0~25℃」はちょっと気になる

もうひとつ、スペック表を眺めていて気になったのが使用温度です。エレコムが案内する使用温度は「0~25℃」。上限25℃というのは、日本で使うことを考えると少々気になります。夏場なら、冷房を入れていない室内が25℃を超えることは珍しくありません。

充電器のスペックを見るときは出力ばかりに目が行きがちですが、この「0~25℃」という条件も頭に入れておきたいところ。夏場の暑い室内で使うことが多い人は要チェックです。

ケーブルは付属しない

もうひとつ見落としやすいのが、充電用のUSB Type-Cケーブルが付属しないこと。本体だけの商品なので、ケーブルは別途用意する必要があります。

すでにUSB Type-Cケーブルを持っているなら問題ありませんが、充電器とケーブルをセットで持ち歩きたい場合は、そのぶんの費用も考えておいたほうがよさそうです。

まとめ:1台を速く充電する携帯用ならかなり魅力的

2ポート同時だと合計27.5Wで、片方は最大7.5Wまで落ちるので、「2台とも高速充電」を期待すると肩透かし。しかも今回の検証で、2台同時使用時はどちらの機器をどちらのポートに挿すかが重要なこともよくわかりました。使用温度が0~25℃と狭めな点も要チェックです。

とはいえ1ポートなら最大35W、約71gと軽くプラグも畳める携帯用としてはよくできた1台。それが税込1,738円で買えるのですから、「急速は基本1台ずつ、もう1口はサブ」と割り切れるなら買って損はありません。ドン・キホーテで在庫があれば、チェックしてみてください。