完全ワイヤレスイヤホンもずいぶん安くなり、最近は3,000円前後でも選択肢がかなり増えてきました。ただ安いモデルとなると「音質は大丈夫?」「使い勝手はどう?」「安っぽくない?」と、ちょっと不安になるのも正直なところ。

  • ドンキ情熱価格「低遅延モード搭載完全ワイヤレスイヤホン」(JN-DQTWSS2)。今回はブラックを2,999円(税込3,299円)で購入

    ドンキ情熱価格「低遅延モード搭載完全ワイヤレスイヤホン」(JN-DQTWSS2)。今回はブラックを2,999円(税込3,299円)で購入

そんななかドン・キホーテで見つけたのが、情熱価格の「低遅延モード搭載完全ワイヤレスイヤホン」(JN-DQTWSS2)。2,999円(税込3,299円)ながら、動画やゲームの音ズレを抑える低遅延モードを売りにした1台です。安さは魅力だけど実際どうなの? ということで、うれしいポイントも、気になったNGポイントも正直にレポートします。

  • 商品名:低遅延モード搭載完全ワイヤレスイヤホン
  • 型番:JN-DQTWSS2
  • 購入場所:ドン・キホーテ
  • 購入価格:2,999円(税込3,299円)
  • Bluetooth:Ver.5.3
  • 対応コーデック:SBC/AAC
  • 再生時間:最大約6時間、充電ケース併用で約21時間
  • 充電時間:約2時間
  • 防水性能:IPX5
  • 重量:イヤホン各約3.5g、充電ケース約33g
  • カラー:ブラック、ホワイト、ブルー(今回はブラックを購入)
  • 同梱物一式。イヤホン本体と充電ケースのほか、USB-C to USB-Aケーブル(約30cm)、交換用イヤーピース(今回の個体にはLサイズしか入っていませんでした:Mは本体に装着済み)

    同梱物一式。イヤホン本体と充電ケースのほか、USB-C to USB-Aケーブル(約30cm)、交換用イヤーピース(今回の個体にはLサイズしか入っていませんでした:Mは本体に装着済み)

  • イヤホンはスティック型のカナルタイプ。片側約3.5gと軽量です

    イヤホンはスティック型のカナルタイプ。片側約3.5gと軽量です

「低遅延モード」は動画で音ズレが気にならず

パッケージで大きくアピールされているのが「低遅延モード」です。Bluetoothイヤホンでは、スマホで動画を見たときに口の動きより少し遅れて音が聞こえたり、ゲームでボタンを押したタイミングと効果音がズレたりすることがあります。本製品はその音ズレを抑えるモードを備えているわけです。

操作はイヤホン側だけで完結します。通常の「ミュージックモード」の状態で、右(Rch)側のマルチファンクションタッチボタンを3秒ほど長押しし、「ピッ」という音が2回鳴れば「低遅延モード」に切り替わります。この低遅延モードが、動画やゲームで発生する音声のズレを低減してくれます。

実際に低遅延モードでYouTubeやドラマなどを視聴してみましたが、口の動きと声のズレはほとんど気になりませんでした。動画を見る用途なら、違和感なく楽しめそうです。

ただし、注意点も。このモードでは通常よりバッテリーの消費が早くなるほか、Bluetooth接続が途切れやすくなる場合があります。常時オンにしっぱなしにするというより、動画やゲームのときだけサッと切り替える、という使い方がよさそうです。

  • ドンキ店頭ではブラックのほか、ホワイト、ブルーも販売されていました。「ドンキで一番売れてる完全ワイヤレスイヤホン」とのこと

    ドンキ店頭ではブラックのほか、ホワイト、ブルーも販売されていました。「ドンキで一番売れてる完全ワイヤレスイヤホン」とのこと

肝心の音は? 上位機には負けるが、動画・配信なら十分

対応コーデックはSBCに加えてAACもサポート。iPhoneでもAACで接続できます。実際に使ってみると、YouTubeの非音楽系チャンネルやトーク配信などを聴くぶんには、特に不満を感じませんでした。

一方、普段使っているAirPods Proと音楽を聴き比べると、さすがに差はあります。低音の量感は控えめで、音質そのものは正直「いい」とまでは言えません。筆者はイヤホンの音質にそこまでこだわるタイプではありませんが、「音楽を高音質で味わう」というより「動画・配信のお供」と割り切って使うのがよさそうです。

再生時間はイヤホン単体で最大約6時間、ケース併用で約21時間。最近の高価格帯と比べれば長くはないものの、通勤・通学やちょっとした外出なら十分でしょう。充電端子がUSB Type-Cなのも今どき。筆者の環境では手持ちのUSB C to USB-Cケーブル(両端USB-C)でも問題なく充電できました。ただし取扱説明書には『付属の専用ケーブル以外では充電できない場合がある』と明記されているので、うまくいかないケーブルもありそうです。

  • 充電ケースはUSB Type-C対応。イヤホンを含めてもコンパクトで持ち歩きやすいサイズです

    充電ケースはUSB Type-C対応。イヤホンを含めてもコンパクトで持ち歩きやすいサイズです

イヤホンは片側約3.5g、軽いけど装着感は要チェック!

イヤホン本体はスティック型のカナルタイプで、重さは片側約3.5g。手にするとかなり軽量で、着けていても耳への負担はほとんど感じません。スティック型なのでケースからの取り出しもつまみやすく、サッと出してパッと着ける感覚は、やっぱり断然ラクです。

  • 普段使っているAirPods Pro(第2世代)と並べたところ。同じスティック型でサイズ感は近いです

    普段使っているAirPods Pro(第2世代)と並べたところ。同じスティック型でサイズ感は近いです

ただ、装着感は少し気になりました。耳の形との相性も大きい部分ですが、しっかり奥まで入っていない状態だと、顔を下に向けたり大きく動いたりしたときに緩みやすく感じます。イヤーピースはS/M/Lの3サイズが付属……のハズなんですが、なぜか筆者の個体にはLサイズしか入っていませんでした(Mは本体に装着済み)。Sはいずこへ……。まぁ、そんなこともあるでしょう。

とはいえ筆者はもともとMサイズかLサイズを使うタイプなので、実際のところ影響はなし。結果オーライでした。ただしカナル型は、サイズが合っていないと低音がスカスカになったり、逆に耳が痛くなったりするので、本来は付属サイズを全部試して一番安定するものを選びたいところ。

IPX5の防水性能を備えているため、汗や多少の雨を気にせず使えるのはうれしいポイントです。ただし防水だからといって装着が安定するとは限らないので、ランニングなどスポーツ用途では「防水」と同じくらい「耳から落ちないか」を確認しておきたいところです。

一方、充電ケースはプラスチック感がそのまま出ていて、正直「安っぽいな」と感じる手ざわり。価格を考えれば仕方ないところではありますが、ここは価格なりと割り切りが必要です。とはいえ、表面はマットな質感で指紋が目立ちにくいのはうれしいところ。カバンから出し入れしてペタペタ触っても、テカりや汚れが気になりにくいのはグッドです。

タッチ操作は便利だけど、誤操作しがち…

イヤホンにはタッチセンサーが搭載され、再生/一時停止、曲送り/曲戻し、音量調整、通話、音声アシスタント、モード切替などをイヤホン側から操作できます。スマホをポケットから取り出さずに操作できるのは、やっぱり断然ラク。ちなみに操作は左右で役割が分かれていて、たとえば音量アップは右、ダウンは左、曲送りは右、曲戻しは左といった具合。慣れれば手元だけで完結して便利ですが、最初のうちは「どっちが右だっけ?」となりがちです。

ただし物理ボタンではなくタッチ式なので、イヤホンの位置を直そうと指を当てたときに、意図せずセンサーへ触れてしまうことがあります。装着時にイヤホンをグッと耳へ押し込みたいのに、その動作でタッチ部分に触れてしまうことが何度かありました。その都度「ピッ!」という操作音が鳴るため、何度も誤操作するとちょっと鬱陶しく感じるかもしれません。

「軽く触れるだけで操作できるほうがいい」人には便利ですが、「イヤホンの位置を頻繁に直す」という人には、この仕様はちょっと不便かも。物理ボタン式とは好みが分かれそうです。

「充電の失敗」をダメ出しで改善、実際どう?

この製品で興味深いのが充電ケースです。ドン・キホーテは、従来品に寄せられた「ケースから浮いて充電されていない」という不満を受け、現行モデルではケースとの接着力(磁力)をアップし「充電の失敗を解消した」としています。

これは地味に大事な改良。完全ワイヤレスイヤホンで困るのが、「ケースに戻したから充電されていると思ったら、次に使うときバッテリーが空だった」というパターンです。これまで1週間ほど使った範囲では、充電の取りこぼしは一度もありません。従来品で指摘されていた部分だけに気になっていましたが、少なくとも今回試した個体では問題は起きませんでした。

とはいえ、取扱説明書にも「充電端子からイヤホンが外れる場合があるため、充電中はケースのふたを閉じてください」との注意書きがあるので、ここは油断せずにいきたいところ。きちんと収まっていれば、イヤホン側のLEDランプが赤く点灯して充電中だと分かるので、ふたを閉じる前にチラッと確認しておくと確実です。

  • イヤホンはケース内部に磁力で収まります。収納するときは充電が始まっているか確認しておくと安心です

    イヤホンはケース内部に磁力で収まります。収納するときは充電が始まっているか確認しておくと安心です

  • (上)本製品のケース、(下)AirPods Pro 第2世代のケース

    (上)本製品のケース、(下)AirPods Pro 第2世代のケース

ノイキャンなし、マルチポイントも非対応

購入前に確認しておきたいのが機能面。本製品には、周囲の騒音を打ち消すアクティブノイズキャンセリング(ANC)はありません。電車や飛行機で周囲のノイズを消したい人には物足りないでしょう。

また、複数機器を登録できる「マルチペアリング」には対応し、取扱説明書によると最大8台まで登録できます。ただし、スマホとPCなど2台へ同時接続する「マルチポイント」は非対応。たとえばMacで動画を見ている途中にiPhoneへ電話がかかってきて、そのままイヤホンで応答……という使い方はできず、つど手動で接続先を切り替える必要があります。このあたりは価格を考えれば仕方ないところですが、高価格帯のイヤホンから乗り換えると「あれ、この機能ないんだ」と感じる可能性があります。

まとめ:割り切って使うなら「損はない」

JN-DQTWSS2は税込3,299円ながら、Bluetooth 5.3、AAC、低遅延モード、IPX5防水に対応。片側約3.5gと軽く、低遅延モードでは動画の音ズレも気にならないので、気軽なサブ機やワイヤレスデビュー用、なくしても痛くない普段づかい用なら損はない1台です。

ただし音質はAirPods Proなどの高価格なイヤホンと比べれば見劣りし、タッチ操作の誤操作、ノイズキャンセリングやマルチポイント非対応といった弱点も。とはいえ、割り切って使えるなら価格以上に楽しめるはず。ドンキで見かけたら、まずは手に取ってチェックしてみてください。