車でスマホのナビアプリを使うとき、悩ましいのがスマホの置き場所です。エアコン吹出口に取り付けるタイプは定番ですが、風向きをふさいだり、ルーバーに負荷をかけたりするのが気になるところ。筆者も以前、吹出口に取り付けるタイプを使っていてルーバーを壊してしまったことがあります。
そこで今回試したのが、Seria(セリア)で購入した「車載スマホホルダー クリップ式」。ダッシュボードやサンバイザーなどに挟んで使うクリップ式のスマホホルダーで、価格は110円です。粘着テープや吸盤を使わないため、レンタカーや旅行先の車でも使いやすそうですが、実際に使ってみると取り付け場所との相性がかなり大きいアイテムでした。
クリップで挟むだけのシンプルな構造
「車載スマホホルダー クリップ式」は、スマホ側と車両側の両方をクリップで挟んで固定する製品です。
- 商品名:車載スマホホルダー クリップ式
- 販売先:セリア
- 価格:110円
- 対応スマートフォンサイズ:約8.8cmまで
- サイズ:約11.5×8×5cm
- 素材:本体 ABS樹脂/設置部分・クリップ部分 塩化ビニル樹脂/金具 鉄
固定力は想像以上、ただしクリップはかなり硬い
パッケージから出してまず感じたのが、上下のクリップを留めるバネの強さです。スマホを挟む側も、車に取り付ける側も、第一印象は「とにかく固定する力が強い」。110円とは思えないホールド感です。
一方で、このバネの強さは扱いにくさにもつながります。クリップを開くにはそれなりの力が必要で、片手でサッと開いてスマホを差し込む、という感覚ではありません。挟む場所によっては指を挟みそうになるため、扱いには少し注意が必要です。
対応するスマホの幅は約8.8cmまで、挟める出っ張りの厚みは約4cmまでとされています。パッケージでは、ダッシュボードやサンバイザーなどへの取り付け例が紹介されています。
iPhone 17 Proは「装着時にすべりやすい」のが悩みどころ
ここは正直に書いておきたいポイントです。筆者のiPhone 17 Proでは、クリップ先端のツメが筐体の角をしっかり噛んでくれず、側面の中間あたりを挟む状態になりがちでした。しかも、スマホを挟む部分にはゴムなどの滑り止めがなく、硬い樹脂のギザギザで押さえるだけ。このため装着の瞬間にツルッとすべり、iPhoneを何度も落としてしまいました。
ケース別に試すと差がありました。Apple純正のクリアケースが最も外れやすく、シリコン製ケースに替えるといくぶんマシに。いちばんしっかり挟めたのは、ケースを外した裸の状態でした。ちなみにiPhone 17 Proの幅は約7.19cmで、本製品の対応サイズ「約8.8cmまで」には余裕で収まっているはずなのですが、それでも筐体やケースの形状次第では安定して挟みにくい、というわけです。
ただし、これはあくまで「装着するまで」の話です。いったんきちんとセットできてしまえば保持力は十分で、その後は市街地を200kmほど走っても一度も落ちていません。要は、セットするまでが少し気を使う、ということです。走行中に落ちると危険なので、取り付け後は軽く揺すって、しっかり噛んでいるか確認しておきたいところです。
側面ボタンを挟まない位置を探す
もう一点、最近のiPhone特有の注意点があります。iPhone 17 Proは、本体の側面にアクションボタンやカメラコントロール、音量調節ボタンが並んでいます。クリップで挟む位置を間違えると、これらのボタンを押し込んだ状態で固定してしまうのです。
実際、何も考えずに挟んだら、カメラが勝手に撮影したり、システムの音量が変わってしまったりと、地味にストレスがたまりました。側面にボタンが多いスマホでは、ボタンを避けてクリップする位置を探す必要があります。ケースの厚みやボタンの出っ張り具合によっても変わるため、走行前に一度しっかり確認しておいたほうがよさそうです。
設置場所はかなりシビア。筆者の車ではダッシュボード上部は見にくかった
本製品のいちばん難しいところは、取り付け場所選びです。パッケージではダッシュボードやサンバイザーへの取り付けが想定されていますが、筆者の愛車であるタウンエースバンベースのライトキャンパー「アルトピアーノ」で何カ所か試したところ、場所によって使い勝手がまるで違いました。
まず、いちばん一般的と思われるダッシュボード上部に挟んでみました。ところが、筆者の車ではハンドルが手前に重なってしまい、通常の運転姿勢のままではスマホ画面の下半分が見えない状態になりました。上体を伸ばすようにのぞき込めば見えますが、ナビとして使うにはあまり実用的ではありません。ダッシュパネルとハンドルの位置関係は車種によって大きく変わるため、ここは相性が出やすい部分だと感じました。
サンバイザー固定は場所によって評価が分かれる
次にサンバイザーに取り付けてみました。運転席側のサンバイザーに挟むと、スマホが頭のすぐ上に来るため、運転中に画面をチラ見するのはほぼ不可能です。信号待ちで確認する場合も、老眼の筆者には距離が近すぎて、ナビ画面としては見にくく感じました。
最終的にナビ用途でいちばんしっくりきたのが、助手席側サンバイザーの角に、斜めに装着する方法です。運転中に画面を頻繁に確認する位置ではありませんが、信号待ちのときなどにはちょうど目に入りやすい位置と角度になり、ナビの確認には十分使えました。
市街地を200kmほどこの状態で走りましたが、走行中に落ちることはありませんでした。音声案内を中心に使い、必要なときだけ停車中に画面を確認する使い方なら、この位置がもっともバランスがよいと感じました。
ナビ以外の使い道も意外とある
ナビとしてはクセのある製品ですが、別の使い方では便利な場面もありました。
運転席側のサンバイザーに付ければ、スマホのカメラで前方を撮影する簡易的な車載カメラとしても使えます。また、休憩中に運転席をリクライニングして動画を見るときも、サンバイザー位置はちょうどよい高さでした。
ハンドルにも取り付けることはできました。もちろん走行中に使う場所ではありませんが、駐車中や休憩中に動画を見るだけなら、意外と使いやすい位置です。クリップ式なので、車内のいろいろな場所を試せるのは本製品の面白いところです。
角度調整の自由度は高くない
気になったのは、角度調整の自由度です。市販の車載スマホホルダーには、ボールジョイントやアームで細かく角度を調整できるものもありますが、本製品はそこまで自在には動きません。取り付け位置によっては、見やすい角度に合わせきれないことがあります。
また、取り付け場所や車内の形状によっては、横向きのほうが安定しやすかったり、実質的に横向き前提のような使い方になったりします。ナビアプリを縦画面で使いたい場合は、購入前に車内のどこへ固定できそうかイメージしておいたほうがよさそうです。さらに、挟む力が強いぶん着脱にもやや力が必要で、片手でサッと付け外しするというより、停車中に両手で位置を確認しながら固定する使い方が現実的でしょう。
エアコン吹出口を使わない安心感は大きい
筆者にとって本製品の魅力は、エアコン吹出口を使わなくてよいことです。吹出口に差し込むタイプは設置が簡単ですが、ルーバーにスマホの重さがかかります。筆者は以前、そのタイプを使っていてルーバーを壊したことがあるため、車側に負担をかけにくい固定方法には安心感があります。
もちろん、このクリップ式も万能ではありません。ダッシュボードやサンバイザーを挟むため、車種によっては取り付けられない場所がありますし、無理に挟めば内装に跡がつく可能性もあります。とはいえ、粘着テープを使わず、エアコン吹出口にも負担をかけにくいという点は、110円の製品としてはかなり魅力的です。
レンタカー用、サブ用ならかなりアリ
Seriaの「車載スマホホルダー クリップ式」は、車種や取り付け場所との相性がかなり大きいアイテムです。筆者の車では、ダッシュボード上部はハンドルに隠れて見にくく、運転席側サンバイザーは画面が近すぎてナビ用途には不向きでした。ケース装着時はスマホがすべって外れやすい点も注意が必要です。
一方で、一度しっかり固定できれば走行中の安定感はあり、助手席側サンバイザーの角に斜めに取り付ける使い方は実用的でした。粘着テープ不要で簡単に外せるため、レンタカー用や旅行用、休憩中の動画視聴用、スマホを簡易ドラレコ代わりに使いたいときのサブ用としては十分試す価値があります。使用前には、停車中に安定性、画面の見やすさ、側面ボタンへの干渉を必ず確認しておきたいところです。












