iPhone 12は全画面iPhoneの伝統を引き継いで、顔認証システムFace IDを採用しています。Face IDは、顔の立体的な形状を認識できる高度な顔認証システムで、画面上部の横長なノッチ(切り欠き部分)に小型のレーザーカメラを使って認証できます。

ただし、Face IDでは現状、マスクを付けたまま顔認証をすることはできません。感染症対策として外出時にマスクを付けることが多くなった最近の状況では、利便性がやや下がっている面は否めません。

  • iPhone 12シリーズは前モデルでFace IDを採用

一方、Pixel 5は前世代モデルの顔認証から、コロナ禍も見据えてか背面センサーでの指紋認証へ回帰しています。コンパクトなデザインになった分、指紋認証センサーの配置も指が届きやすい位置となっています。

  • Pixel 5はタッチ式指紋センサー「Pixel Imprint」を搭載

顔認証と指紋認証は、精度や使い勝手で一長一短があり、どちらが優れているというものではありません。ただ今回は、iPhone 12とPixel 5で判断が分かれる形となったようです。

生体認証
iPhone 12 Pixel 5
顔(フロントカメラ) 指紋(背面のセンサー)

充電:両者ともに新機軸の「ワイヤレス充電」

iPhone 12とPixel 5では、どちらもワイヤレス充電を巡って新たな機能を追加してきました。どちらも業界標準のワイヤレス充電規格「Qi(チー)」と互換性を持っています。

iPhone 12シリーズではそれに加えて、アップル独自の拡張規格「MagSafe for iPhone」に新たに対応します。MagSafe対応のワイヤレス充電なら、iPhoneに磁力でくっつきます。ワイヤレス充電の不便さの1つ「ズレると充電できない」に、アップルなりの解を示してきた格好です。

  • iPhone 12シリーズはくっつけて充電するMagSafeを新搭載

  • MagSafe対応ケースなら装着したまま充電可能。引っ張り挙げても落ちません

さらにMagSafe機構は、ケースを簡単に付け外しするためにも活用されています。ケースだけでなく、カードポケットをiPhoneに固定することも可能です。MagSafeにはNFCによる非接触通信機能が内蔵されているため、将来的にはアクセサリー類の拡充も見込めるでしょう。

一方のPixel 5では、ワイヤレス充電Qiへの対応に加えて、新たに「ワイヤレス給電」もできるようになりました。Qi充電対応のワイヤレスイヤホンや他のスマホなどへ、Pixel 5の内蔵バッテリーから給電できます。

Pixel 5ではバッテリー容量を4,000mAhに増強して、電池持ちが大幅に改善されています。これを生かすなお、ワイヤレス給電機能は、AndroidではHUAWEIやGalaxyなどの搭載例があります。

  • Pixel 5はQi給電が可能に。Pixel Budsのような周辺機器を充電できます

  • 他のスマホへのQi給電も可能。iPhone 12だってPixel 5から充電できます

充電システム
iPhone 12 Pixel 5
Lightning / ワイヤレス充電 ※Qi、MagSafe for iPhone USB Type-C / ワイヤレス充電・リバースワイヤレス充電 ※Qi