5Gへの対応については、Pixel 5、iPhone 12シリーズともに日本国内向けはサブ6周波数帯のみとなっています。5Gで特に高速な通信が可能とされているミリ波帯への対応は見送られました。

  • 5Gエリアに行き、電波をちゃんとつかめば高速通信が可能です(写真はPixel 5)

とはいえ、サブ6帯でもきちんと電波を掴む場所にいけば、実測で500Mbps~1Gbpsという固定回線並みの速度は体感できます。ただし2020年秋時点ではエリアがかなり限られており、4キャリアでは関東でも東京23区内のごく限られた範囲しかエリアを展開していません。また、たとえ5Gエリアに入ったとしても、安定して5Gの電波を掴むためには、コツがいるような状況です。

ミリ波帯はサブ6帯よりも電波を掴める範囲が限定されるため、5G展開当初の時点では非対応となっていても現実的には影響は少ないでしょう。

なお、5Gスマホは4G LTEの高速な通信性能も兼ね備えているため、実用上の支障はありません。少なくとも、購入時点では5Gでどこでも高速通信できるとは期待せず、数カ月、数年使っているうちに5G通信になる機会が増えるだろう、くらいの認識でいるのがよさそうです。

ちなみに、ミリ波帯に対応したPixel 5やiPhone 12シリーズも実は存在します。両機種とも、米国向けモデルではサブ6とミリ波の両対応となっています。米国にはVerizonという大手携帯キャリアがあり、同社は5G展開当初からミリ波を中心にネットワーク整備をしている、世界でも珍しい事業者です。このVerizonのネットワークで5Gをまともに使えるようにするため、米国版モデルのみミリ波に対応する必要があったものと推測されます。

主な通信機能
iPhone 12 Pixel 5
携帯電話通信(5G・Sub-6含む)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、NFC、Felica 携帯電話通信(5G・Sub-6含む)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0、NFC、Felica