センシンロボティクスは10月14日、大豊産業と共同で自律走行型ケージ監視システムを開発したと発表した。同システムでセンシンロボティクスは、死亡鶏を検知するAI解析の技術提供を行っている。

採卵鶏舎内は多層式飼育のため、くるぶしから頭上まで目視の確認が困難な場合が多くあり、目視で死亡鶏を確認するには時間を要するほか、薄暗く臭気があり羽埃の舞う作業環境であることから日々必要である巡回点検の障害となっている。この監視が疎かになり、発見が遅れてしまうと①疫病の蔓延、②腐敗卵の流出(死亡鶏により自動採卵が妨げられ腐敗)につながる可能性が高くなるという。

自律走行型ケージ監視システムは、鶏舎を自動巡回するロボットが採卵鶏舎内を自律走行巡回し、可視光カメラとサーモカメラによるAI解析で死亡鶏を早期発見し採卵効率(腐敗卵流出防止)を向上させ、AIによる画像の一次判定に加え、サーモカメラによる二次判定を実施し、高い検出精度(実証テストでの実績値:検出率93%、誤検出率0.3%)を実現するとしている。

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同システムの導入により、死亡鶏発見のための巡回が不要となり、通知のあった死亡鶏の除去作業のみとなるため、ケージ内異常を早期に発見、衛生面・防疫面を向上させ、労力を軽減することを可能としている。今後は死亡鶏の検知以外にも、鶏の健康管理を行うシステムの開発を目指し、省力・省人化だけでなく、作業現場の業務効率化を目指す。