TSMCが台湾の新竹サイエンスパーク内に2nmより微細なプロセスの実現を目指す研究開発センターを2021年に開設すること、ならびにその隣接地に対応量産ファブの建設を目指し、用地取得の最終交渉を進めていると、複数の台湾メディアが報じている。TSMCが8月25日に開催したTSMC Technology Symposiumにて同社シニアバイスプレジデントであるKevin Zhang(張暁強)氏が語ったという。
TSMCはすでに台南サイエンスパークに5nm EUV量産ファブを稼働させているほか、3nm量産ファブについても同地に建設中で、こちらは2022年後半にも量産を開始することを計画しているが、今回明らかになった2nm量産ファブは台南から、本社のある新竹に戻ることとなる。
この2nm研究開発センターでは、2nm以降のプロセス技術の開発に、8000人の科学者とエンジニアを収容する計画だという。建屋はR1とR2と呼ばれる2つの研究棟と1つの管理棟で構成され、そのうちR1が2021年に稼働する予定だという。
なお、2nmファブの稼働は、2024~2025年ころになる予定である。
「ムーアの法則」の終焉がささやかれて久しいが、TSMCは、微細化に苦戦する他社をしり目に、積極的な研究開発体制を構築していくことで、今後もムーアの法則にしたがい、事業の成長を図っていく模様だ。