米デル テクノロジーズは3月12日(現地時間)、「Global Data Protection Index 2020 Snapshot(グローバル データ保護インデックス2020年スナップショット)」調査の結果を発表した。これによると、企業が管理しているデータ量の平均は、この1年間で約40%増えており、回答者の81%が、現在のデータ保護ソリューションでは今後の全てのビジネス ニーズに対応できないと回答しているという。

同調査は、過去3回の「Global Data Protection Index」に続くものとして実施した。 世界15カ国における従業員数250人超の企業及び公的機関の意思決定者1000人を対象に、多様な課題及び先進技術がデータ保護の準備態勢に与える影響について調査した。

今回の調査によると、現在企業が管理しているデータ量は2018年の平均9.70PB(ペタバイト)から約40%増の13.53PBに上り、2016年調査時の1.45PBと比べて831%増となっている。

これらのデータに対する最大の脅威は、サイバー攻撃からデータロス、システム ダウンタイムまでを含む障害インシデントの増加であるといい、過去1年の間に何らかの障害インシデントを経験した企業は、2018年の76%に対して2019年は82%と増加した。 また、68%の回答者が今後1年間に新たな障害インシデントが発生するだろうとの懸念を示しているという。

さらに、複数のデータ保護ベンダーを利用している企業では、自社が保有するデータへのアクセスが阻害されるサイバー インシデントに対して2倍近く脆弱であるとのこと。 これらの企業の39%は2つ以上のベンダーを使用しており、20%が1つのベンダーを使用している。

このような状況にも関わらず、複数のデータ保護ベンダーを利用する企業の数は増えており、企業の80%が2社以上のベンダーからデータ保護ソリューションを導入しており、2016年から20%増加した。

障害インシデントに伴う損失額も増加している。例えば、ダウンタイムにより発生する損失額の平均は、2018年から2019年で54%と急増しており、2018年の52万6845ドルに対して、2019年は概算で81万18ドルとなった。

データロスによる推定損失額も、2018年の99万5613ドルに対して、2019年は101万3075ドルに増加している。

1社のみのデータ保護ベンダーを利用している企業に比べて、複数のデータ保護ベンダーを利用している企業では損失額が非常に高く、ダウンタイム関連の損失額では平均で約2倍、データロス関連の損失額に至っては約5倍高くなっているという。

新たなテクノロジーが進化、発展してデジタル環境を形作っていく中で、企業は、今後のビジネス成果につなげていくための活用方法を学びつつあるとのこと。

今回の調査では、ほぼ全ての企業・組織が、ある程度のレベルで新しいテクノロジーに投資していることがわかったという。

上位5つのテクノロジーは、クラウド ネイティブ アプリケーション(58%)、AI(人工知能)及びマシンラーニング(機械学習)(53%)、SaaSアプリケーション(51%)、5G及びクラウド エッジ インフラストラクチャー(49%)、IoT及びエンドポイント(36%)だった。

一方、これらのテクノロジーについては、回答者の71%がデータ保護はこれまで以上に複雑になるとしており、61%の回答者はデータ保護にとってのリスクになると回答している。 このような新しいテクノロジーを利用している企業の過半数が、これらのテクノロジーに対する適切なデータ保護ソリューション探しに苦労しているという。

今回の調査では、81%の回答者が、現在自社が使用しているデータ保護ソリューションでは、今後出現する可能性のあるすべてのビジネスの課題に対応することはできないと回答している。

具体的に信頼不足として挙がった項目は、サイバー攻撃後のデータ復旧(69%)、データロス発生時におけるデータ復旧(64%)、各国・地域のデータ統制法規への準拠(62%)、サービス レベル規定で求められるバックアップ及び復旧の順守(62%)だった。

企業は新しいビジネス アプリケーションの導入に際し、複数のクラウドを組み合わせるアプローチを利用しており、コンテナやクラウド ネイティブ アプリケーション、SaaSアプリケーションといったワークロードの保護を考えるようになっているという。

今回の調査では、新しいアプリケーションを展開する環境として企業が選ぶアプローチは、パブリック クラウド/SaaS(43%)、ハイブリッド クラウド(42%)、プライベート クラウド(39%)という結果だった。

さらに、85%の企業・組織が、データ保護ソリューションのベンダーがクラウド ネイティブ アプリケーション保護を提供することは必須である、または大変重要であると回答している。

エッジ環境とその周辺を通じてやり取りするデータ量が増えている中、多くの回答者がクラウド ベースのバックアップを優先すると回答しており、エッジで生成したデータの保護と管理へのアプローチとして、62%がプライベート クラウドを、49%がパブリック クラウドを選んでいる。

なおプラスの変化として、データの価値を正しく評価して収益化している、または収益化する予定とする回答者の割合が、2018年の74%から2019年は80%に増加した。