東芝デジタルソリューションズは11月1日、「製造業向けIoTサービス Meister Cloudシリーズ」を12月上旬に販売開始すると発表した。

製造業のバリューチェーンのデジタル化の進展に対応するため、東芝グループのものづくりのノウハウを凝縮したデジタルツインと、工場及び設備メーカー向けのアプリケーションやテンプレートを組み合わせ、サブスクリプション型のサービスとして提供する。

  • 製造業向けIoTソリューション・サービスのイメージ

新シリーズには、製造工程をスルーした製品のトレーサビリティや、製造状況の変化点の5M1E(人、機械・設備、方法、原料・材料、測定・検査、環境)での可視化を実現する「ものづくりIoTクラウドサービス Meister ManufactX」及び、設備メーカーの遠隔監視や運用の最適化をサポートする「設備メーカー向けアセットIoTクラウドサービス Meister RemoteX」の2種類。

製造業で実績のあるアプリケーションやUI(ユーザーインターフェース)テンプレートを提供し、目的に応じて最適なモジュールを組み合わせて利用できるという。

なお、同シリーズは「東芝IoTリファレンスアーキテクチャー」に沿って開発・整備したIoTサービスとのこと。

ものづくり現場のデータを体系的に格納し活用を促進する統合データモデル、バリューチェーンを横断したトレーサビリティ、クラウド上の多様なアプリケーションと連携可能、サブスクリプションサービスによる導入しやすさ、設備・機器の納入先での使用状態の把握によるO&M(オペレーションとメンテナンス)サービスの高度化が特徴だという。

統合データモデルは、東芝グループのものづくりのノウハウに基づいて包括的に体系化し、これにより現場のIoTデータと基幹情報システムの業務データとを組み合わせて活用できる基盤を提供する。

デジタルツイン上でデータの可視化や分析、シミュレーションなどを行うことで、ものづくり現場の持続的な改善をサポートするとしている。

トレーサビリティ機能は、複数の製造プロセス、拠点、サプライヤーを横断する。製品・部品の製造履歴のトラッキング要求に応え、品質検査結果から素早く原因工程・製造レシピ・ライン/装置状態などをトレースすることで、品質管理・報告業務に要する期間や作業負荷を大きく削減し、出荷先へのアカウンタビリティを高めるという。

クラウド上のアプリケーションとの連携に関しては、使い慣れたアプリケーションや自社開発のアプリケーションを、同シリーズのサービスと柔軟に組み合わせられるという。

サブスクリプションについては、従量課金をベースとし、初期投資を抑え、必要な時に必要なだけ利用でき、ビジネス拡大に応じた柔軟なスケールアップも可能としている。

O&Mサービスの高度化に関しては、設備・機器メーカーは、出荷後の自社の製品の稼働状態のリモートモニタリングに加え、ユーザー企業の保有設備・機器の最適な運用、メンテナンス、アップグレード提案などが可能となり、O&Mのサービス事業化の基盤を形成するという。

なお同シリーズについて同社は、11月7日と8日に東京で開催予定の「TOSHIBA OPEN INNOVATION FAIR」において、講演及びデモ展示を予定している。