米国時間2019年3月25日、Apple製OSで動作するアプリケーションの開発に用いられるSwiftがバージョン5に更新された。すでにUbuntu用公式バイナリはダウンロードページから入手可能。macOS用はXcode 10.2の一部として入手できる。公式ブログによれば、ABI(Application Binary Interface)が安定化したことで、macOS、iOS、tvOS、watchOS向け「アプリケーション開発時にSwiftランタイムをバンドリングが不用になり、小型かつ高速なアプリケーションを実現できる」(Apple, Manager of the Languages and Runtimes team Ted Kremenek氏)という。

標準ライブラリであるSwift 5 Standard Libraryも更新し、UTF-8エンコーディングを使用したString型の再実装を行うことで、アプリケーションの速度を向上させた。文字列リテラル内のRAWテキストに対するサポートの改善や、ResultおよびSIMDベクトル型の実装、データからテキストを構築時の柔軟性が向上する文字列補間の機能強化が加わっている。また、Swiftの進化について議論するメーリングリストSwift Evolutionから16の提案も受け入れた。

この他にもPython、JavaScript、Rubyなどの開発言語との相互運用性向上や、デバッグビルドとリリースビルドの両者に対してメモリーへの排他的アクセスを強制するコンパイラの変更。Swift Evolutionから5つの提案を受け入れた。Swift Package Managerも依存関係のミラーリングやターゲット固有のビルド設定、コードカバレッジデータを生成する機能など多くの新機能を含んでいる。

阿久津良和(Cactus)