ジーニーは28日、脳波等のセンシングデータを企業のマーケティングに活用する研究プロジェクト「気持センシングラボ」を、大広、SOOTH、ヒトクセの3社と共同で発足させたことを発表した。

  • 最適化サイクル

    最適化サイクル

デジタル動画広告は、多くの情報量をバリエーション豊かな表現手法で伝達できるという利点がある一方で、テレビと比べてユーザーの受容性が低い傾向にある。動画広告で効果を高めるためには、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作・配信することが重要だが、多くの企業がそのノウハウやワークフローの習得に課題を抱えている。

ジーニーはこうした背景から、より関心の高いユーザーへ動画広告を配信できる仕組みや新たな動画広告フォーマットの開発等を進めており、顧客のニーズに応えるべく、このたび共同プロジェクト「気持センシングラボ」を発足した。

同プロジェクトは、各社の専門性を掛け合わせることでシナジーを発揮し、「制作」「配信」「運用」という3つの観点で、動画視聴より生まれた”気持”がユーザーの行動に対しどのような影響を与えるかを、脳波などの生体反応センシングを基に実験・研究することで、最適なソリューションを提供する。

第一弾として、脳波データを活用した「動画マーケティング」を実施する。まずは「概念検証」フェーズとして、広告主複数社と共に具体的なテストマーケティングを想定。インターネット上の「行動データ」に加え、動画視聴時の視線や表情、脳波等をセンシングして無意識下に存在する”気持ち”を「感情データ」として組み合わせることで、視聴者にとってより受容しやすい動画の制作や広告主の目的を達成させるための要素発見といった仮説検証を実施していくとしている。

各社の役割として、大広がクライアントニーズに応じた動画戦略立案とプロジェクト全体のプロデュース。SOOTHが脳波や視線といったフィジカルデータを取得できる次世代分析ツール「VR Insight」を用いて視線、脳波等各種データのセンシングを担当。ヒトクセは同社が保有する動画配信システムの提供、および独自トラッキング技術を活用した配信時のユーザー行動分析を担当。ジーニーはGenieeDSPを当該プロジェクト用にカスタマイズし、広告配信を実装するということだ。

今後は、対象を動画以外にも拡大し、広告がその後のユーザー行動にどのように結びついたかをトラッキングし分析・評価することで、ユーザーの感情変化に適したコミュニケーション戦略と、感情に基づく新たなデジタルマーケティング戦略を立案できるソリューションを開発していくとしている。