東京ビッグサイトでは4月4日から6日までの3日間、「コンテンツ マーケティング EXPO」や「コンテンツ配信・管理 ソリューション展」「映像・CG制作展」など、全7展から構成されるコンテンツビジネス総合展「コンテンツ東京2018」が開催された。
コンテンツ制作や映像・CG制作・グラフィックデザインなどのソリューションを手がける1540社が集結し、企業のビジネス拡大をサポートするサービスを展示。3日間合計で4万2594人が来場したという。
本稿では、企業のマーケティング手法として定着しつつある「動画」に関するソリューションにフォーカスして、いくつかのブースを紹介する。
動画を組み込んだメールマガジンでセッションアップを目指す
Jストリームは動画配信プラットフォームやライブ配信、動画eラーニングのソリューションを紹介していた。
同社は目的に応じたいくつかのサービスを提供しており、たとえば、セキュアな配信が可能な「J-Stream Equipmedia」は、動画による社内学習環境の構築や経営メッセージのライブ配信、Webスクールの講義動画配信、マラソン大会のライブ配信、インターネットバンキングの紹介動画など、さまざまな用途に動画を活用できるサービスだ。マーケティングオートメーションツール「Marketo」などとの連携も可能で、どこまで動画が見られたか、どの程度コンバージョンに寄与したのかといったデータの測定もできる。
また、「MovieAD MAIL」では、動画を細かいgifアニメに変換して、メールマガジンに動画を貼り付ける仕組みを提供している。ピザハットで実施した「MovieAD MAIL」の事例では、テキストのみのメールマガジンと比較して、動画を掲載したケースのほうがサイト訪問数が150%も増加したという。
中国と日本をメディアで結ぶ制作会社
中国に本社を置くCLICK TECHのブースでは、テレビCMとインターネット広告のクロスメディア施策の紹介を行っていた。
最近では、スマートフォン向けゲーム『ミラクルニキ』の1周年記念テレビCMについて、企画からキャスティング、映像制作、放映まで手掛けた同社。"着せ替えRPG"というゲームジャンルに関連して、コスプレイヤーのえなこさんを起用した。テレビだけでなく、ほかのメディアにも配信した結果、YouTubeでは800万再生、Twitterでは100万再生を記録したという。
ミラクルニキは中国発のゲームで、CMは日本配信1周年を記念して制作された、いわば中国から日本へのマーケティングだが、同社が中国圏で広いネットワークを持っていることから、日本国内の観光プロモーション映像などを中国圏へ発信してほしいという依頼も増えている。実際に徳島県のプロモーション映像を中国向けに配信したところ、2週間で480万回以上の再生を記録した。
下記の動画は同社の公式チャンネルで公開されている、コンテンツ東京2018で行われたブースでのセミナー生配信の様子だ。
キャラクターが映像に親近感をもたらしてくれる
スイスイのブースでは、キャラクターアニメーションの紹介を行っていた。同社では、映像コンテンツのファンになってもらうには"人格が必要"だと考えており、制作する映像には人やアニメキャラクターを登場させるようにしているという。オリジナルキャラクターの制作も可能で、映像コンテンツに登場させるだけでなく、ライセンスによって自社のパンフレットや別の広告などに展開することもできる。
また、アニメキャラクターと実写映像を融合させた広告プロモーションなども可能だ。ブースでは「ニャビン」と「キャビン」というキャラクターが、トースターの特徴を見せながらトーストを焼いて食べるというストーリー性のあるサンプル映像が流れていた。
愛らしいキャラクターが登場することで、無機質な家電の紹介映像にあたたかみがプラスされ、なんだか"ほっこり"する作品に仕上がっている。
クラウドソーシングによる世界250都市以上の海外ロケ実績
90セカンズは動画制作のクラウドソーシングを提供している企業だ。クラウドを活用することで、世界92カ国にいる1万6000人以上のクリエイターにアクセスできるので、わざわざ日本のクリエイターを現地に派遣することなく海外のロケを行うことが可能だ。これまでに、世界250都市以上での撮影実績があるという。
もちろん、キャスティングも同様に、国内外問わず、モデルや俳優、インフルエンサーなどの中から、動画制作・映像制作の用途・目的・予算に合わせて手配できる。
世界70カ国・地域の450都市以上で配車サービスを展開するUBERの事例では、わずか12日間という限られた期間内で、世界8カ国での撮影を実行したという。以下は同社のYouTube公式チャンネルで公開されているUBERの事例紹介動画だ。
予算は多くないが、海外のロケーションでスタイリッシュな映像をPRに使いたいという企業のワガママにも応えてくれるかもしれない。
企業のメッセージをパラパラ漫画で伝える
アトムストーリーのブースでは、パラパラ漫画を映像化したPR動画のソリューションを紹介していた。ブランディング動画や採用プロモーションなど、用途に応じたストーリーをプロの脚本家が立案。漫画家の手がけたパラパラ漫画をオリジナルの楽曲とともにアニメーション化できる。
学生時代、ノートの余白にパラパラ漫画を描いた経験のある人も多いのではないだろうか。素人が描くものはいわゆる「棒人間」が走っているような簡単なものかもしれないが、プロが本気で手がけるパラパラ漫画は、共感を生むアニメーションになるのだ。
パラパラ漫画は音声でのセリフがないゆえに、アニメーションの内容だけでメッセージを伝えるのが特徴だ。目で見ることがメインだからか、パラパラ漫画の動画には、気づいたらストーリーに引き込まれているという、不思議な魅力があるように感じる。