5月29日、KDDIは2018年夏商戦に向けたauの発表会において、動画配信サービス「Netflix」をバンドルしたauの新料金プランを発表した。

  • KDDIが「Netflix」をバンドルしたauの新料金プランを発表

これまでKDDIは、Netflixを始めとするOTT(Over The Top)に対抗し、「ビデオパス」など自前のサービスを拡充してきた。ここへ来て競合プレイヤーと組む狙いはどこにあるのか。

世界展開を進めるNetflix、モバイル視聴が急増

米国発の動画配信サービスとして知られるNetflixの会員数は、世界で1億2500万人に達したという。その50%以上が米国外の会員となっており、急速に世界展開を進めている。

  • Netflixの会員数は世界で1億2500万人に達した

オンラインのDVDレンタル事業としてスタートしたNetflixは、インターネットのストリーミング配信に参入。当初は映画やドラマを配信していたが、ほかの配信サービスとの差別化要素としてオリジナルタイトルも製作しており、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』などのヒット作品を次々と生み出している。

日本でNetflixは2015年にソフトバンクと業務提携をしているが、今回のKDDIとの提携では、料金プランへのバンドルという踏み込んだものになっており、あたかもNetflixが「実質無料」になったかのようなお得感を演出している。

すでに米国では、2017年9月にT-Mobile USがNetflixをバンドルしたプランを発表している。日米に共通する背景として、映画やドラマをスマホの画面で楽しむ人が急増しているということだ。

だがモバイルでストリーミング動画を視聴すると、大量のパケットを消費するのが悩ましい点。Netflixにとって、携帯電話キャリアと組むことで最適な料金プランを提供することは理にかなった選択といえる。

  • Netflixの動画もモバイルでの視聴が急増している