• BOSEがホームオーディオの新たな基盤

    BOSEがホームオーディオの新たな基盤

オーディオメーカーのボーズがホームオーディオの新たな基盤となる「Lifestyleコレクション」を発表した。5月15日に発売されたコレクション最初の製品は、Bose Lifestyle Ultra Speaker (55,000円)とBose Lifestyle Ultra Soundbar (154,000円)、Bose Lifestyle Ultra Subwoofer (110,000円) だ。同社にお願いして、Bose Lifestyle Ultra Speakerを体験させてもらった。

このコレクションでは、Google CastやApple AirPlayを利用することで、あらゆるプラットフォームから直接オーディオをストリーミング再生することができる。Spotify ConnectやAlexaにも対応している。主要なプラットフォームを網羅している

このLifestyleシステムというネーミングは1990年代に同社から発売された「初代Lifestyle Music System」が礎となっている。ミニマリズムと高音質の両立をめざした一体型システムとして、重厚長大で複雑な高級オーディオの概念を覆そうとしていた製品シリーズだ。

技術的には当時の主流だった赤外線式のリモコンではなく、無線電波方式のリモコンを採用し、本体にリモコンを向けなくてもシステムを操作できるようにするなど、先進的な体験を提供できていた。マルチゾーンコンセプトとして、リビングゾーンに本体とメインのスピーカーを置き、そこから配線を延ばしたサテライトスピーカーで2つめのゾーンを設定し、別のソースをそれぞれのゾーンで再生するといったことができていた。

設置した瞬間から生活の邪魔をせずに、高音質オーディオを楽しめるというのは、まさにライフスタイルの変革を地で行く提示だった。

今回の「Lifestyleコレクション」のコンセプトも同様だ。だが、四半世紀以上前とは時代が違う。なにしろリモコンがない。

赤外線や電波で機器に指令するためのリモコンの役割を果たすのはあらゆる人々が肌身離さず携行しているスマホだ。たとえば、Bose Lifestyle Ultra Speaker の場合、このくらいのフォームファクタだと、普通はBluetoothスピーカーだと思うだろう。

確かにBluetoothスピーカーは便利だ。スマホで再生する音楽をまさに飛ばしてスピーカーで楽しむことができる。ただ、スマホとスピーカーはペアリングする必要があるので利用シーンは極めてパーソナルなものになる。

もちろん、それもできる。だが、今のトレンドは最初に書いたように主流がストリーミングへと移った。同じWi-Fiネットワークに接続されたスマホで、キャスト先のスピーカーを選び、音楽を再生すれば、そのスピーカーから音楽が聞こえてくる。パブリックでもなくパーソナルでもない、家族が誰でも使えるようなセミパブリックな位置づけだ。

仕組みとしては、スマホに代わってスピーカーがサイトに接続、ストリームとして音楽を受信し、それを再生するようになっている。再生を開始した人がスマートフォンを持ったまま外出しても再生は続く。別の人が自分の端末で操作すれば、その場で再生内容を切り替えられる。

ストリーミングに対応したワイヤレスネットワーク対応のスピーカーの元祖はSONOSの製品だと言われているが、その後、Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーが誕生して低価格で楽しめるようになったという経緯がある。このネットワークオーディオシーンの荒波において、BOSEの動きは決して早いとは言えなかった。黒歴史といわれる迷走もあった。だが、そもそもBOSEはオーディオ機器のメーカーとしては、数々の名門ブランドに比べれば明確な後発だが、既存のオーディオ常識をことごとくひっくり返す暴れん坊として誕生している点も興味深い。

だから、今回まさに重い腰を上げ、絶対の自信を持って発表した「Lifestyleコレクション」は、同社なりに満を持して投入したプロダクト群であり、ある種の覚悟を象徴するものであるともいえる。そして、それはBOSEとしての原点回帰でもある。1990年代に同社がやろうとしていた理想的なワイヤレスオーディオのパッケージをカタチにしたライフスタイルの再定義だといえそうだ。その記念すべき最初の一歩を記憶しておこう。BOSEの新たなチャレンジがここから始まる。

部屋全体を豊かで包み込むようなサウンドパワーを備えたボディはコンパクト。ダイレクト/リフレクティングスピーカー技術で、前面に2基、上向きに1基の計3基のドライバーを搭載する。天井と壁に向けて音を放射し、それをリスナーの方へ反射させることで広大なサウンドステージを生み出す。写真は柔らかなベージュの限定色「ドリフトウッドサンド」。

一通りのことは上部のボタンで操作できるが、使い慣れた楽曲サブスクアプリやブラウザからキャストするのが便利。Google CastやApple AirPlay、Spotify ConnectやAlexaなど、あらゆるプラットフォームからストリーミング再生することができる。

付属品は電源ケーブルのみ。電源アダプタなどは必要ない。

  • 本体上部に配置された操作ボタンI@003.jpg,アダプタ不要の電源ケーブルのみ

    本体上部に配置された操作ボタンI@003.jpg,アダプタ不要の電源ケーブルのみ