既報の通り、米Intelは10月5日に"Coffee Lake"ベースのデスクトップ向けCore iシリーズ6製品の販売を開始した。ただし、日本国内の販売は遅れるようで「第4四半期中を予定」とアナウンスしている。今回、国内販売に先駆けて試用する機会に恵まれたので、早速レポートをお届けしたい。

製品の概要やポジショニングは発表時のニュースに詳しいが、製造プロセスを14nm++に刷新。最上位モデルをはじめとしてコア数とスレッド数が増えたほか、動作周波数の引き上げやオーバークロック性を高めることにより、性能を向上させたとしている。

早速テスト環境の紹介 - Core i7-8700KとCore i5-8400をテスト

今回試用できたのは、ハイエンドにあたる倍率アンロック仕様のIntel Core i7-8700Kと、ミドルレンジの倍率ロック品Intel Core i5-8400の2製品である(Photo01~02)。パッケージサイズは従来のLGA1151と同じ(Photo03~04)である。

Photo01:左がCore i7-8700K、右がCore i5-8400。どちらもES品となる

Photo02:裏面のコンデンサ類の配置は同じ

Photo03:Core i7-8700KとCore i7-7700K(右)を並べてみた。パッケージ寸法やヒートスプレッダの大きさなどもまったく同じに見える。しいていえば、基板上側(ヒートスプレッダのチョイ上)のコンタクトがCore i7-8700Kは10個並んでいるのが、Core i7-7700Kは6つというのが見かけで分かる違いである

Photo04:裏面のコンデンサの配置は大分変わっているほか、数はCore i7-8700K(左)の方が多いただコンタクトの数や配置は同じに見える

OSからはどちらもきちんと認識された(Photo05~10)。ちなみに内蔵するGPUはIntel UHD Graphics 630(Photo11と12)であるが、KabyLake世代のIntel HD Graphics 630との違いはark.intel.comによると、最大クロックが500MHz上がったのとOpenGL 4.5への対応などのようだ。

Photo05:Core i7-8700Kの情報をCPU-Zで表示。このキャプチャを取った際にはVer 1.81.0がまだダウンロードできず、Ver 1.80.2のままである。Core Voltageが1.392Vと表示されているあたりがおかしな点である。Max TDPは95Wとされる

Photo06:L2はコアあたり256KB、L3は合計9MBということで、Skylake-SP系列ではなくSkylake系列と分かる

Photo07:OSからはきちんと12Threadが認識されている

Photo08:Core i5-8400の情報をCPU-Zで表示。こちらはVersion 1.81.0で。Core Voltageはまともになった。ちなみにInstructionからTSX命令が省かれている

Photo09:キャッシュの構成はCore i7-8700Kと同じ

Photo10:こちらも正常に認識

Photo11:Intel UHD Graphics 630の文字はきちんと認識される

Photo12:Device IDがまだデータベースに登録されていないためか、GPU-Zでも詳細は表示されず

Kaby LakeとRyzenのハイエンドと比較

これと組み合わせるマザーボードであるが、今回はASUSよりROG STRIX Z370-F Gamingを利用した(Photo13~19)。

Photo13:パッケージは稼働中のLEDの光り方をイメージしたものになっている

Photo14:LEDが派手な分、マザーボードの地の色は恐ろしく地味。CPUと1本目のPCI Express x16レーンの間に1つ目のM.2スロットが配されている

Photo15:裏面も同系色。PCI Express x16スロットは、一番上だけがx16で、下の2つはx8接続

Photo16:CPUへの電源は10way構成の模様

Photo17:バックパネルは比較的控えめ。DVIが用意されているのは最近ではちょっと珍しくなってきた

Photo18:SATAは6ポート。SATA ExpressとかU.2は搭載されない

Photo19:チップセットのカバーを外すと2つ目のM.2コネクタが出現される。ちゃんと放熱用の熱伝導シートが用意されているのはさすが

その他のテスト環境は表1に示す通りである。今回は外部GPU(GeForce GTX 1080)を利用しての比較と、内蔵GPUでの比較の2パターンを実施した。Core i7-8700Kの場合、仮想的な競合はいうまでもなくAMDのRyzen 7 1800Xということで、こちらは外部GPUで比較を行っている。

CPU Core i7-8700K
Core i5-8400
Core i7-7700K Ryzen 7 1800X
M/B ASUS ROG STRIX Z370-F Gaming
(BIOS 0408)
ASUS PRIME Z270-A
(BIOS 1009)
ASUS CROSSHAIR HERO VI
(BIOS 1701)
Memory Corsair CMK16GX4M2A2666C16
(DDR4-2666 CL16 8GB×4)
内部GPU Intel UHD Graphics 630
(Intel Graphics Driver 22.20.16.4758)
Intel HD Graphics 630
(Intel Graphics Driver 22.20.16.4749)
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外部GPU NVIDIA GeForce GTX 1080 Frontier Edition
(GeForce Driver 385.69 WHQL)
Storage Intel SSD 600p 256GB(M.2/PCIe 3.0 x4) (Boot)
WD WD20EARS 2TB(SATA 3.0)(Data)
OS & Software Windows 10 Pro 64bit 日本語版 Version 1703 Build 15063.413
.NET CLR 4.0.30319

ということでグラフ中の表記であるが

  • i5-8400 : Core i5-8400
  • i7-7700K : Core i7-7700K
  • i7-8700K : Core i7-8700K
  • R7 1800X : Ryzen 7 1800X

をそれぞれ意味している。まずはGeForce GTX 1080を利用した状態での性能比較、続いて内蔵GPUでの性能比較をお届けする。