スマート家電機器のコントロールは、モバイルアプリによる操作が既に確立されている場合もある。例えば前述のボッシュであれば、スマート家電の統合管理アプリが既にローンチされていて、同社の白物家電を快適にコントロールできる仕組みが整備されている。
そこにAIボイスアシスタントも加わってくると、最初のうちは「スマホからは操作できるけれど、Alexaには対応しないスマート家電」が出てきてしまったり、それぞれのインタフェースでサポートする範囲が異なるケースも生まれて、かえってユーザーの混乱を招いてしまうかもしれない。
その課題にいち早く着目したからなのか、今回のIFAでも"スマート家電推し"を展開したサムスンは、自前のAIボイスアシスタント「Bixby(ビグスビー)」を軸とした自社製スマート家電のエコシステムをアピールしていた。
コントローラーとなるデバイスは同社Galaxyシリーズのスマホだ。各家電の機能を統合するモバイルアプリ「Samsung Connect」に、スマホのタッチ操作かボイスUIかを選択して操作するというシンプルな動線を引いた。
AlexaやGoogle Assistantのようなスタンダードを取り込まないで大丈夫なのか?という疑問もあるが、ユーザーに使い方を迷わせないための配慮としては正しい考え方なのかもしれない。モバイルアプリを、流行のAIアシスタントとのコンフリクトを避けながら改良していくことが、これから各社共通の課題になることは間違いなさそうだからだ。