時短調理のパナソニック、ヘルシー調理はシャープのヘルシオ、ケーキを焼くなら東芝、コスパの日立……。これは、筆者が家電量販店でオーブンレンジのセールスポイントを取材するたびによく聞く台詞だ。売り場で「日立のオーブンレンジはお得感がある」とする販売スタッフは少なくない。今回はコスパの日立、安さだけじゃない(はずの)魅力を改めて探るべく、最上位モデル「MRO-SV3000」を1カ月使ってみた感想をお届けしたい。

MRO-SV3000

MRO-SV3000は、2016年6月に発売された日立アプライアンスのハイエンド過熱水蒸気オーブンレンジで、主な特長は以下の4つだ。

  • 食材の重さと位置をはかる「トリプル重量スキャナー」と、120分割して食材の温度をはかる「センター赤外線スキャナー」を組み合わせた独自の「Wスキャン」によって、あたため精度をアップしたこと
  • 食材にあわせた加熱制御を行い、イノシン酸やグルタミン酸などの旨みを引き出すこと
  • 「和食オートメニュー」など、レパートリーが広がるオートメニューを搭載したこと
  • 庫内が明るいので、調理中に煮込み具合や焼き色を確認しやすいこと

庫内の容量は33L、カラーバリエーションはパールホワイトとメタリックレッドの2色。操作部にはタッチパネル液晶を備えている。発売当初、大手家電量販店の価格は160,000円前後(税別)だったが、2017年4月中旬にチェックしたら90,000円(税別)を切っており、店舗によってはさらにポイントが付く。さすが「コスパの日立」だ。

上位機種ほど「あたため機能」が優秀

各社とも、最上位モデルのオーブンレンジには、さまざまな機能を搭載している。筆者の場合、普段使うのは大半が「あたため機能」で、オーブンは家族の誕生日といったイベント前に時々ケーキを焼いたりする程度だ。そんな自分に、最上位機種の機能が使いこなせるだろうかと不安に思っていた。

MRO-SV3000を1カ月使ってみて感じたのは、上位機種ほどレンジ機能(あたため)が優秀ということ。単純な温めだけでなく、短時間で食材を調理できる状態になる解凍や、温度帯の違う複数の食品を同時に温める機能などは、センサーと温度制御が優れている上位機種ならではの魅力だ。MRO-SV3000は重量センサーを搭載しているので、1人分でも4人分でも、最適な加熱をMRO-SV3000におまかせできる点も便利だった。感動した「あたため機能」を中心に紹介していこう。