パナソニックは3月23日、スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「Wおどり炊き」の新モデル「SR-SPX7」シリーズと、スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-BS1400」の体験セミナーを開催した。

オーブンレンジのNE-BS1400(左)と炊飯器のSR-SPX7(右)

「加圧追い炊き」で甘味をアップ

パナソニックの炊飯器は独自の「Wおどり炊き」が特長だ。これは、釜底と底側面のIHコイルを通電させ、高速で切り替えて熱対流を発生させる「大火力おどり炊き」と、加圧・減圧を繰り返して米を釜底から対流させる「可変圧力おどり炊き」で、米の一粒一粒に均一に熱を伝える機能だ。

今年の新製品は、炊飯工程の後半で加圧し高温化する「加圧追い炊き」機能を搭載した。米の芯まで熱を伝え、米のα化を促進。これにより、従来比約10%甘味がアップし、もちもち感が約9%向上したという。パナソニックのキッチン商品課 中江睦さんは「パナソニックの炊飯器史上、最高の甘味を実現している」と話す。

SR-SPX7シリーズ

グラデーションが美しい内釜。素材を改良し断熱性能を約10%アップ

米の銘柄炊き分けがさらに充実

新製品では、米の銘柄ごとに最適な炊飯を行う「銘柄炊き分け」機能をさらに充実。今年発売の新しいものも加え、全国50種類の銘柄に対応しているという。

炊飯器の開発に携わる、パナソニック 炊飯器技術部の"ライスレディ"こと加古さおりさんは次のように話す。

「おいしいごはんの条件は、お米の資質が半分以上を占めるが、水や炊き方、火加減によって味が変わる部分も大きい。新製品はおよそ3トン分の米を炊いてデータを蓄積し開発した。また、炊飯器の開発にあたって、実際に産地まで足を運ぶことがある。米の作り手も炊き手も双方納得した炊き上がりでお客様にお届けしたい」(加古さん)

セミナーではランダムに1銘柄の御膳を試食。筆者が食べたのは新之助で炊いたご飯。ふっくらと甘みのある炊き上がりだった

「新之助」を用いた新潟の「至高の一膳」

セミナー会場には、新潟県「新之助」、秋田県「あきたこまち」、岩手県「金色の風」、北海道「ゆめぴりか」の4銘柄の生産者が登場。炊飯器で炊いたそれぞれの銘柄を食べた感想について語った。

それによると、新之助は粒が大きく強い火力で炊くとふっくらする。あきたこまちは一般的な圧力炊飯器だとやわらかめに味が振れるが、この炊飯器だと食感を残しながら甘味が感じられるという。

金色の風は「もともと炊き方が難しい銘柄で、粒感にとろけるような食感と甘味、そしてのどごしを再現するには技がいるし、水分量でも味が変わってくる。この炊飯器は、水分の調整をそれほど気にしなくても素晴らしく炊けるのに驚いた」とのこと。また、ゆめぴりかの生産者は「炊飯器を開けた瞬間、ツヤがあって粒が立っていてびっくりした。食べてみるとゆめぴりかの特長がしっかり出ているのが分かる」と話す。

パナソニックでは、「至高の一膳プロジェクト」として話題のブランド米とコラボレーションした販促を予定。ブランド米とそれに合う地域のお供と汁物をあわせた御膳を紹介する

ボウルひとつでパスタが作れる

スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-BS1400」では、赤外線センサー「高精細・64眼スピードセンサー」を搭載。受光面積が従来比1.5倍になったことで、食品の検出温度精度が向上した。従来は、ボウルに入れたシチューなどを加熱すると吹きこぼれてしまうことがあったが、新製品では温度の判定にかかる速度が1秒から0.5秒に向上、沸騰判定も2度行うことで、ふきこぼれを抑えながら沸騰を維持する。

パナソニックは、このふきこぼれを抑える機能を生かし、"ワンボウルレシピ"を提案。耐熱ボウルに材料を入れてあたためをスタートすれば、火力調整をオーブンまかせにしてシチュー、カレー、パスタなどが作れる。洗い物が少なく気軽に作れるので、夕食だけでなく1人分の昼ご飯などに重宝しそうだ。

パスタと水と具を入れて

自動メニューで加熱すれば

パスタが簡単につくれる

セミナーでは料理研究家の山本千織さんが登場し、調理の実演を行った。

山本さんはビストロの魅力について「味噌床につけた肉など焦げやすいものも丁度良く焼き上げること。また、鶏むね肉はパサつきやすい食材だが、ビストロだとジューシーな理想的な仕上がりになる。感動したのは温泉卵。ビストロのスチーム機能なら簡単に温泉卵が作れるので重宝する」と話していた。

ビストロの「煮る」「蒸す」「焼く」「揚げる」というビストロの調理機能を生かしたお弁当。ぶりのココナッツ煮、鶏むね肉のハーブ焼き、たけのことホタテのタイ風蒸し焼き、えびとまいたけのライスクリームコロッケ、ゆで卵が入っている