モバイルを核に見ると、若干ちぐはぐに感じるが

フェイスブックは、直近の10-12月期の四半期決算で88億ドルの売上を上げた。前年同期比52%増と、大きな成長を遂げている。モバイルユーザーの増加とデスクトップからの移行をとらえて、広告売上を急進させているのが、現在のフェイスブックだ。

フェイスブックは、Instagram、Messengerなどのモバイルアプリ群を頻繁にアップデートしながら、きめ細かく不具合の改善をし、新しい機能を次々に導入している。すでにFacebook本体のアプリではライブ配信と視聴をサポートしており、また360度写真の共有も活発に行われるようになってきた。

InstagramやMessengerは、3月1日上場のスナップのアプリ、「Snapchat」のトレンドを取り入れ、24時間で消える落書き可能な写真やビデオの機能を搭載するなど、ユーザーとの対話に敏感なところも見せる。

だとすれば、なぜ、今テレビへの拡大を図るのだろうか。

フェイスブックによると、米国を初めとする先進国でのスマートフォン市場の成熟から、これ以上月間ユーザー数を増加させることは難しい、と見ている。これは、決算発表の中でも語られることだ。

もちろん新興国では強靱な成長が続いていることから、フェイスブック全体としての月間ユーザー数の増加は続いていくことになる。しかし、先進国市場において頭打ちとみている。

フェイスブックがビデオなどの新しいコンテンツに注力しているのは、ユーザーに対する広告閲覧の指標の切り替え、と見ることができる。ユーザー数が増えなければ、広告売上の指標の増加は期待できない。そこで動画の視聴時間や、Instant Articleの滞在時間という指標への切り替えを行うことになる。

そこでテレビである。