2月24日に最初の施行が行われた「プレミアムフライデー」。月末金曜日に早く帰り、余暇を楽しむ(消費を促進する)試みだが、実際にそれを体験した人はどれくらいいたのだろうか?

今回は、マイナビニュース会員の中から会社員1000人に、プレミアムフライデーの実施有無、および実施された企業の社員には当日の過ごし方について聞いた。

Q1:あなたが勤務する会社の規模を教えてください。(n=1000)

5001人以上 213人(21.3%)
1001人~5000人 187人(18.7%)
101人~1000人 302人(30.2%)
100人以下 298人(29.8%)

今回のアンケートでは、101人~1000人規模とそれ以下の規模の企業がわずかに多いものの、4セグメントに属する人の回答がほぼ均等に集まった。

Q2:プレミアムフライデー、勤務先では導入されましたか?(n=1000)

はい 147人 (14.7%)
いいえ 853人 (85.3%)

回答者1000人に関して、勤め先でプレミアムフライデーが導入されたのは14%となった。

これ以降の質問は、プレミアムフライデーが実施された企業に勤める人たちに聞いていく。

Q3:何時頃退社できましたか? (n=147)

15時台      38人(25.9%)
16時台      31人(21.1%)
17時台(または定時) 47人(32.0%)
18時台以降 31人(21.1%)

15時に退社して普段できない活動をする、というのがプレミアムフライデーの基本方針。ただ、実際15時台に退社できたのは3割に満たなかった。ほぼ均等に票が割れているものの、業務時間が9時~17時と仮定した場合、定時退社に等しい状況だった人が最も多い。

Q4:「15時台」「16時台」と回答した人:退社後の時間は主に何をして過ごしましたか?(n=69)

旅行 2人(2.9%)
買い物 23人(33.3%)
飲み会・外食 23人(33.3%)
趣味・習い事(スポーツ含む) 6人(8.7%)
自宅で過ごす 10人(14.5%)
その他 5人(7.2%)

15時~16時台退社の人は、7割程度が買い物や飲み会に出かけていた様子。旅行会社を中心に、プレミアムフライデーを利用した小旅行を推奨する向きもあったが、初回でそこまで思い切った人は少なかったようだ。

Q5:「17時台」「18時台以降」と回答した人:退社後の時間は主に何をして過ごしましたか?(n=78)

旅行 2人(2.6%)
買い物 12人(15.4%)
飲み会・外食 14人(17.9%)
趣味・習い事(スポーツ含む) 4人(5.1%)
自宅で過ごす 43人(55.1%)
その他 3人(3.8%)

一方、17~18時、あるいはそれ以降と回答した人たちは、半数が自宅で過ごしていた。こうして見れば、「完璧な」プレミアムフライデーを体験した人々に限定されてはいるが、プレミアムフライデー推進側の「消費促進」という狙いはある程度は当たっていたようだ。ただし、自宅で過ごすために食品や書籍、ソフト等を購入している可能性もあるので、一概に飲み会・買い物=消費とは言えないだろう。

Q6:今回体験してみて、次回もプレミアムフライデーが実施されたらよいと思いますか?(n=147)

はい 108人(73.5%)
いいえ 39人 (26.5%)

退社時間の差異や時間の使い方によらず、次回以降の施行には7割の人が前向きな回答を示した。「早く帰らないといけない日」という強制力としては、体験した人たちにとって手応えのあるものだったと考えられる。

プレミアムフライデーをめぐる報道では事例を大々的に発表する企業が中心となりがちのため、「大企業での導入が大半」という印象も強い。では、企業の規模で施行の割合は変わるのだろうか。同一の設問(Q1:プレミアムフライデーは実施されましたか)について、企業の規模別に集計してみる。

5001人以上の企業の場合(n=213)

はい 60人(28.2%)
いいえ 153人(71.8%)

1001人~5000人の企業の場合(n=187)

はい 34人(18.2%)
いいえ 153人(81.8%)

101人~1000人の企業の場合(n=302)

はい 33人(11.0%)
いいえ 269人(89.0%)

100人以下の企業の場合(n=298)

はい 20人(6.7%)
いいえ 278人(93.3%)

大企業一辺倒…とまでは偏らなかった施行率

最も企業規模の大きいセグメントでは、他のセグメントの倍程度「プレミアムフライデーが実施された」と回答があったことから、大企業ではプレミアムフライデーに注力したところが比較的多かったと言えそうだ。ただ、5001人以上の大規模な会社の回答者の中でも割合としては3割弱で、大企業=プレミアムフライデーに参加した、とは言いがたいもの事実だ。また、中小企業だからこそフットワーク軽くプレミアムフライデーを導入したという事例もあるため、「働き方改革」への積極性が、企業規模を問わずプレミアムフライデー導入の大きな要因となっていたと推測される。

「飲み会」と「おこもり」、ボーダーラインは退社時間

ちなみに、退社時間で区切った余暇の過ごし方に対して、企業規模による変化は現れなかった。合算した回答で現れた傾向通り、「15時」「16時」退社の人々は買い物や飲み会に行き、「17時台」「18時台以降」に退社した人の多くは自宅で過ごしていた。

まだまだ大多数の会社員にとっては未知の体験である「プレミアムフライデー」。消費拡大のためには15時退社は必要な条件といえそうだが、現実として5割の企業は実施できなかったほか、単なる早帰りではかえって業務を圧迫する可能性があり不安も残る。施行拡大に際しては、残業への対策と両輪で進めるべき施策と言えそうだ。

調査時期: 2017年2月27日
調査対象: マイナビニュース会員のうち会社員限定
調査数: 1000人
調査方法: インターネットログイン式アンケート