1000の新商品を出しても、生き残るのは3商品くらいと言われる飲料業界。そんな群雄割拠の飲料業界で、10年もシリーズが継続。今もなお新しい展開をみせ続けているキリンビバレッジの「世界のKitchenから」シリーズ。コンビニや、スーパーの飲料コーナーでも個性的なパッケージが光る同シリーズはどのようにしてブランドを確立したのか。

10年で27商品が誕生

ほんのり甘いライチと後味すっきりの沖縄海塩を組み合わせた「ソルティライチ」が大ヒットしたキリンビバレッジの「世界のKitchenから」シリーズ。「世界のお母さんに負けられない」をコンセプトに、ひと手間かけた味わいで独自の価値を確立した人気ブランドだ。2007年に最初の商品「ピール漬けハチミツレモン」が発売されてから10年の間に27つもの商品が世に出ている。

誕生から10年を迎えた2016年夏、キリンは、ブランドのインスピレーションを体験できる期間限定ショップ「世界のKitchenから 旅するキッチン」を東京・渋谷区の「SO-CAL LINK GALLERY」で開催している(8月21日まで)。

東京・渋谷区 期間限定ショップ「世界のKitchenから 旅するキッチン」

“食材の化学変化を探る・楽しむ”ブランドメッセージ

店のコンセプトは、「共に学び、考える」。ショップのメインとなるのは、どこの家庭にもある“塩”だ。このシリーズの人気商品『ソルティライチ』を作る際に学んだ“塩”の面白さを知ってもらおうと“塩”が選ばれたという。開催のタイミングが夏ということで、熱中症予防にもなる“塩”はこの時期ぴったりだろう。

「私たちが商品開発の中で感じたワクワクを一緒に感じていただき、食を通じてお客様と対話を育んでいければという思いから企画がスタートしました」。そう話すのは、キリンビバレッジマーケティング部商品担当主任の図子久美子さんだ。