2014年のスマートフォンを漢字一字で言い表すなら、どんな言葉が当てはまるのか。ここではライターの近藤謙太郎氏に、今年を象徴する一字を選んでもらい一年を振り返ってもらった。

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今年のスマホ市場の動向を漢字1字で振り返るなら? 編集部から用意されたお題にしばし悩んだのですが、「安」の字が適当でしょうか。今年のニュースをおさらいしたとき、格安、安定といった単語が頭をよぎりました。本稿では格安、安定という観点で、簡単に2014年を振り返ってみます。

格安SIMの流行

「格安」SIMサービスが2014年のトレンドになりました。日本通信、NTTコミュニケーションズ、IIJ、BIGLOBEのいわゆる”BIG4”を中心に、MVNO市場におけるシェア獲得競争が激しさを増しています。

格安SIMサービスが2014年のトレンドになった(写真左)。「BIGLOBEスマホ」をアピールする、ビッグローブ 代表取締役社長の古関義幸氏(写真右)

MVNO市場に新規参入する企業も相次ぎました。ここ数カ月の動きとしては、ニフティがNifMoを、楽天とフュージョン・コミュニケーションズが楽天モバイルを開始。キヤノンマーケティングジャパンも、ビジネス市場に向けて格安SIMサービスを提供すると発表しています。異業種からの参入もニュースを賑わせました。賃貸紹介事業のエイブルはフリービットと業務提携。TSUTAYAを展開するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は「TSUTAYA mobile」の準備を進めており、日本郵便でも来年度中のMVNO参入を検討しています。ミニストップが、全国の店舗で「イオンスマホ LTE」を取り扱うというニュースも注目を集めました。

8月に業務提携を発表した、フリービットとエイブル(写真左)。12月にはTSUTAYAがスマホ事業参入を発表した(写真右)