通話と通信の安定

2014年は、通話の「安定」と通信の「安定」が図られた1年でもありました。LTE回線を利用することで、音声通話の品質が向上する「VoLTE」については、NTTドコモが2014年夏モデルから、KDDI(au)でも2014年冬モデルから導入を開始しています。ソフトバンクでも12月に発売する最新Androidスマートフォン「AQUOS CRYSTAL X」にて利用可能になります。これでNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3キャリアがVoLTEに対応することになりました。LTEの対応エリアを拡張し整備し続けている3社ですから、今後、消費者はVoLTEを使うことで音声通話の安定と品質の向上が期待できます。

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの主要3キャリアがVoLTEに対応する

通信の安定性も増しました。2013年にはNTTドコモとKDDI(au)で「重大な電気通信事故」が頻発し社会問題にもなりましたが、2014年に入ってからは、そこまで大規模な通信障害は起きていません。各社ともネットワークの整備を順調に進めていることがうかがえます。KDDIは3月に、800MHz帯の4G LTEの実人口カバー率が99%に達したと発表しました。今夏には「LTE-Advanced」の技術であるキャリアアグリケーション(CA)を日本で初めて導入しています。

KDDI(au)では、キャリアアグリケーションを導入開始した(写真左)。各社ともネットワークの整備を順調に進めている

NTTドコモでは、13年度末に55,300局だったLTE基地局を今期中に95,300局まで拡大する計画。下り100Mbps以上の通信速度に対応したLTE基地局も、3,500局から一気に4万局まで拡大します。「つながりやすさNo.1」を標榜するソフトバンクでもLTE基地局が9万4,000局に到達。ソフトバンクグループのWireless City PlanningではCAを実現しており、9月に発売が開始された「Pocket WiFi 303ZT」においてソフトバンク版CAが提供開始されています。