CF-LX3では、ドライブレスモデル、DVDスーパーマルチドライブモデル、BDドライブモデルという3つのモデルを用意した。

同社では、最も売れるのはスーパーマルチドライブモデルと予想し、全体の6~7割を占めると想定しているが、ドイラブレスモデルでは軽量化を求める企業のニーズに対応。BDドライブモデルは、Bシリーズにおいてパナセンスを通じて販売したオプションが個人ユーザーに好評だったことから用意したものだ。

「スーバーマルチドライブモデルとドライブレスモデルは、SXとNXに近い関係」とし、ひとつの製品のなかで幅広いニーズに応えられるようにした点も新たな取り組みとして見逃せない。   あえて気になる点をあげると、14.0型という大画面を持ちながら、CF-LX3では1,600×900ドットというHD+の解像度としている点だろう。ここにきて、フルHD、あるいはフルHDを超えた高精細ディスプレイの搭載がひとつのトレンドとなっているが、CF-LX3ではあえてHD解像度を搭載した。

高解像度について語る機構設計チームの田中氏。CF-LX3は1,600×900ドットのHD+液晶を搭載する

「この点に関しては、開発当初から、HD+で行くという形で意見が統一されていた」と安政主任技師は語る。

その理由は明確だ。「Let'snoteの用途は業務利用。文書や資料を作成したり、閲覧するにはHD+の解像度が最適であると判断したため」である。

解像度をあげれば、画面に表示できる内容は大きくなるが、その一方で、文字が小さくなり、モバイル用途などでは視認性や操作性が悪くなる。

「コンシューマ用途が中心であれば、高解像度が必要だろうが、企業での用途を考えれば、むしろ不要である」というのが開発チームの判断。ここにもLet'snoteならではのこだわりがある。

タッチパネルモデルを今回の製品で投入しなかったのも、企業における利用では、現時点でWindows 8の利用環境が少なく、Windows 7環境での利用が多いと想定されるためだ。

「Windows 8のデバイスドライバだけでなく、Windows 7のドライバについても、きっちりと検証し、しっかりとした形で用意しているのはパナソニックのこだわり」(尾下主任技師)とする。Windows 7へのダウングレード利用も想定した仕様だ。

そのほか、LANコネクタやアナログRGBによる外部ディスプレイコネクター、HDMI出力端子など、ビジネスシーンに必要とされるポートはすべて搭載している。

こうしてみると、今回のCF-LX3は、Let'snoteが目指すビジネスモバイルの新たな挑戦だったといっていい。そして、それはLet'snoteがビジネスモバイルから軸をずらさないという姿勢を改めて明確にしたものといっていいだろう。

安政主任技師は、「ビジネスモバイルという狙った『池』において、最適なものを開発するのがLet'snote。企業が使いやすいということに起点を置き、すべての決定はそれをベースに行い、それに対して余分だと思われるものは省いた」と語る。

ビジネスモバイルに特化した新たなLet'snoteが、CF-LX3によってまたひとつ登場したと言えるだろう。