進化した波型リブ構造

そして、軽量化を実現する上で大きなポイントとなったのが天板の堅牢性を実現する波型リブの採用である。

天面強度を確保するため、新たに波形状のリブを天板裏に採用し、耐100kg荷重を実現

もともとB11でリブ構造を採用し、さらにそれを進化させた波型リブ構造を、UltrabookのAXシリーズでも採用してきた。パナソニック特有のボンネット構造を薄型にしながら、強度を保つための工夫だ。

しかし、14.0型という大型液晶を搭載するため、薄型を追求しながら波型リブ構造をそのまま採用しても、AXシリーズ同様の天面強度を達成することはできなかった。B11では、2.8mmというボンネット高を維持することで強度を実現したが、CF-LX3で目指したのは高さ1.5mmというボンネット高。強度と薄型化をこのサイズで実現するには大きな壁が立ちはだかったのだ。

そこで開発陣は、様々な形状を考え、何度もシミュレーションを行い、厚みと重量に効果的なものを導き出した。

結果としとて辿りついたのは、AXシリーズの波型リブを、天板の平面部分に採用すること。これで、面全体の強度をアップさせることができた。

「ボンネットはベコンとへこんだ時が弱い。ベコンとならないような役割を果たすのが波型リブ。波の形状が並んでいるのでなく、一本の波に次の波が重なり合うような狭い波幅が特徴となっている。これによって、耐100kg荷重を実現した」(田中主任技師)である。

「2回目の試作段階では、まだベコンとへこむ感じだった。だが、重量をあげずに、堅牢性を実現できた最大の理由が、このリブ構造にあった」と、安政主任技師は語る。

波型リブ構造について語る安政主任技師

ちなみに、堅牢性を実現するために、Let'snoteは天板部分が閉じたときに下方向に食い込むような形状としているが、これはアンテナの収納にも効果を発揮している。この厚みを利用することで、一般的なノートPCとは異なり、アンテナを縦方向に入れることができ、結果として奥行きが小さくできる。軽量化にも寄与するというわけだ。

また、冷却ファンは厚さ8mmという薄型のものを新開発。これも軽量化に大きく貢献した。「吹き出し口のフィンの密度を増やる一方、ファンの回転トルクをあげて、高いフィンの冷却性能を活用。薄いファンでも冷えるようにした」という。

LX3シリーズの冷却ファン(左)とBシリーズの冷却ファン(右)。目視でも薄型化していることがわかる

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