ソニーは4月11日、4K解像度に対応した液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア) X9200A」シリーズなど、新製品5シリーズ10機種を発表した。フルHD対応の32V型~4K対応の65V型までをラインナップし、特に市場が伸びている46V型以上の大型サイズに注力していく考えだ。ソニーの業務執行役員SVP ホームエンタテインメント&サウンド事業本部長の今村昌志氏は、「渾身の思いを込めた商品力強化で、13年度は黒字化を達成する自信がある」と語り、テレビ事業の回復を目指していく。
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4つの技術でテレビを強化
「X9200A」シリーズは、65V型と55V型の2モデルを用意。2012年9月発表の84V型に続く4K対応液晶テレビで、今村氏いわく「新しい価値創造をふんだんに盛り込んだテレビ」だ。「映像技術の進化」として、高画質化エンジン「4K X-Reality PRO」を搭載。従来のX-Reality PROと同様の高画質化技術に加え、フルHD映像を4K映像にアップコンバートする回路を備え、地上デジタル放送やBlu-ray Discなどの映像が、4K画質で視聴できるようになる。
ソニー 業務執行役員SVP ホームエンタテインメント&サウンド事業本部長・今村昌志氏 |
2012年9月発表の84V型4K対応テレビ。「これからの成長の第1歩」という位置づけで、価格も168万円と高額だった |
この製品のユーザーからは画質に対する感動の声などが多く寄せられたという |
画質や音など、ユーザーの潜在ニーズは多い、と見る。「テレビはコモディティ商品か。ユーザーは本当に満足してるか。決してまだメーカーが潜在的なニーズに応えていないと思ってる」と今村氏は言う |
ソニーの高画質化エンジンは、ブラウン管テレビの「WEGA」の時代から15年間にわたって進化させてきた、同社の「ユニークなデバイス技術」(今村氏)であり、さらに業務用の放送機器の4K技術も盛り込んだという。
現時点では、ネイティブの4Kコンテンツを持つユーザーは少ないが、4K X-Reality PROによって、フルHD映像を4Kのコンテンツのように楽しめるようになるという。このエンジンは、テレビ放送やBD映像だけでなく、HDMI経由の画像やインターネット上の動画コンテンツの視聴などでも効果を発揮する。
ディスプレイ自体の高画質化のために、「トリルミナスディスプレイ」を採用。トリルミナスディスプレイと4K X-Reality PROの組み合わせによって色再現性が向上した。特に赤、緑の色域が広がり、「今まで感じたことのない本当の自然の色を再現することが可能になった」と今村氏は語る。トリルミナスディスプレイは、すでに「サイバーショット」や「ハンディカム」など一部のソニー製品で搭載されているが、これらの機器で撮影した画像や動画を表示すると、撮影時の自然な色で表示ができるようになっているそうだ。今村氏は、ソニーのほかの製品でもトリルミナスディスプレイを拡大し、「全社を挙げて色域の拡大をしたい」と強調する。
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