TMPGEnc Video Mastering Works 5 V5.2.4.68(グラフ100~102)

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ここからはエンコード系。まずはTMPGEnc Video Mastering Works 5である。グラフ100と101は、1080pのWMV7動画をMPEG2に変換する速度であるが、バッチを利用して4本の動画の変換を行うというもの。1 Threadなら同時に1本、4 Threadならば同時に4本変換を行う。グラフ100はトータルとして4本のエンコードに要した時間からの変換速度、グラフ010は各々のThread毎の変換速度をそれぞれ示している。

さて結果であるが、なかなか面白いことになった。1 Thread、つまり8コアなり12コアなりでいっせいに1本の動画をエンコードするようなケースでは、そもそも効率が良くないので性能は上がらず、この場合Core i7-2700KのTurbo Boostの威力もそれほどではない。ところが4 Threadになると負荷が上がるため、相対的にTurbo Boostが利きやすくなるようである。この結果として、グラフ100では4Threadの場合でCore i7-2700KとCore i7-3770Kが同等、グラフ101では4 Threadの場合にわずかながらCore i7-2700KがCore i7-3770Kを上回るという結果を叩き出している。逆に言えば、こうしたTurboのかかり具合で性能が左右される程に性能は拮抗している、という言い方もある。

グラフ102は1本の動画をH.264/AVCでエンコードする速度を比較したものである。今回TMPGEnc Video Mastering Works 5は4月20日にリリースしたV5.2.4.68でIntel Media SDK 2012に対応した。つまりIntel QSV 2.0が利用できる構成になった訳だ。これを試そう、というのが本題なのであるが、相変わらずZ68/Z77の場合は外部GPUを使っているとQSV Hardwareが利用できない。実を言うと、Z68チップセットで利用しているASUSTeK P8Z68-V PROの場合は同社のサイトよりLucid Virtuが提供されており、これを利用すると外部GPUを使いながらIntel QSVも利用できる筈なのだが、Z77の方のIntel DZ77GAではこれが利用できないので、今回は見送った。QSVについてはベンチマークPart 2の方で確認したい。ということでグラフ102は、TMPGEnc Video Mastering Works 5内蔵のx264と、Intel QSV S/Wのみでの比較である。Intel QSV S/Wの場合はシングルスレッド動作なので、エンコード速度はご覧の通り。反対にx264の方は、Core i7-3960Xの12スレッドですらフルに使い切るため、こちらはこちらで大きな伸びを見せている。とりあえずここではCore i7-2700KとCore i7-3770Kの間に大きな性能差は見られない、ということを結論としたい。