音楽プレイヤーとしてもAndroid端末としても

ウォークマンZシリーズは、ソニーの放つ意欲作。Sony Tabletに続いてソニー本体が手がけるAndroid端末だが、「ウォークマン」ブランドをつけている点は、ソニーの力の入れ具合が分かる。

「音楽アプリ特集」として、Android Marketからダウンロードできる音楽アプリを紹介するselectAppコンテンツも搭載している

全体的な動作はスムーズで快適。これはSony Tabletにも通じるところだが、ストレスなく動作し、通常のAndroid端末としてもパフォーマンスは優れている。必要最小限のオリジナルアプリだけで、Android標準のアプリぐらいしか入っていないのも個人的にはポイントが高い。必要ならばAndroid Marketからアプリをダウンロードして機能を拡張できるのは、Androidを採用した強みだろう。

3G通信とカメラ、この2点がないことがウォークマンZの弱点で、いつでもどこでも通信ができる3G通信機能があっても良かっただろう。逆に言うと毎月の利用料が発生しないので、気軽に所有できるし、モバイル無線LANルーターやテザリング対応携帯を持っていれば、外出先でも通信できるので、この辺りはユーザーの必要性次第だろう。それに対してカメラは、最近の日常使いの端末としてはあっても良かったと思う。画面も大きいし、動きもいいので、撮影した画像を見せ合うのにもいい。

フォトビューワーアプリ。動作は快適で、サムネイルサイズの変更やタグ付けで検索性を向上させている

画像を表示しているところ。すぐにスライドショーやThrowができるようになっている

2本指でタッチして回転させると、画像も回転する。表示方向が簡単に切り替えられて視認性が向上する

最大64GB、最小でも16GBとメモリ容量も大きく、ファイルをたくさん保存できるので、音楽だけでなく大量の画像も保存できるし、音楽ファイルを活用してスライドショーを作成したりと、音楽と画像、動画を組み合わせた作品作りにも使えそうで、その意味でもカメラは欲しかった。

Android端末は、microSDカードにデータを保存できる代わりに、本体メモリ容量が少ないモデルも多く、データだけならともかく、アプリをすべてSDカードに移せず、不便なことも多かった。ウォークマンZは、microSD非対応な代わりにメモリ容量が大きく、音楽、動画、画像に加え、大きなアプリも大量にインストールできるメリットもある。

その反面、画面が大きいことで気軽にポケットに入れて音楽を聴くだけだったら過剰なスペックではある。大きさ、重さともに、音楽もインターネットもフルに活用したい、というユーザーに向いているだろう。電話だけは専用の使い慣れたフィーチャーフォンを使い、インターネットは大画面の専用端末が欲しい人にもいいだろう。

とにかく、常用できるAndroid端末としても、音楽プレイヤーとしても、十分な実力を備えているのがウォークマンZだ。

(記事提供:AndroWire編集部)

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