ピカイチの音楽プレイヤー
オリジナルアプリのW.ミュージック、ビデオプレーヤー、フォトビューワーでは、DLNAに対応したテレビなどに、表示している動画像、再生中の音楽を転送して大画面で利用できる「Throw」(投げる)機能を搭載。Sony Tabletにもあった機能だが、手軽にDLNAを使った転送機能を活用できる。DLNAクライアント機能も備えており、PCのコンテンツを再生するといったことも可能だ。
"ウォークマン"の名を冠しているだけあって、W.ミュージックアプリには力が入っている。本体側面には「W.(ダブルドット)」ボタンがあり、どの場面でもこのボタンを押すことで音楽再生が可能な「W.コントロール」が表示される。W.コントロールは、曲名、アルバム名、ジャケット写真に、再生・一時停止、早送り、早戻しが表示されるシンプルな音楽コントローラー。
W.コントロールの右上に表示されるジェスチャーボタンをタッチすると、ウィンドウが大きくなり、ジェスチャー操作ができるようになる。コントロールないをタップすれば再生・一時停止がで、左右にフリックすると早送り、早戻しができるようになる。ボタンを狙ってタッチしなくてもいいので、素早い操作がしやすい。
1ボタンで音楽制御ができるようになるので、快適に音楽を操作できるのがメリットだ。画面ロックの状態でも、ここからコントロールが起動するので便利。
細かく制御したい場合は、W.コントロールのジャケット写真をタッチするか、アプリ一覧からW.ミュージックを起動する。W.ミュージックは、ウォークマンZに転送した楽曲を管理し、任意の曲を再生したり、楽曲解析により自動的に楽曲を選んで再生してくれる機能を備えている。
楽曲の再生は、ライブラリから全曲、アルバム、アーティストなどといった区分で楽曲を検索できるほか、独特の「おまかせチャンネル」「カバーアートビュー」の2種類の検索方法を用意。
おまかせチャンネルは、ソニーの12音解析技術を使って曲を解析し、それにもとづいて自動的に楽曲を分類し、自動的にプレイリストを作成してくれる機能。12音解析は、PC用ソフトx-アプリなどで解析できるほか、ウォークマンZ本体でも解析ができる。分類されるプレイリスト(チャンネル)は、「朝のおすすめ」といった時間をベースにしたもの、アップテンポ曲を集めた「アクティブ」などの曲の種類によって分類したものに大別される。ウォークマンが選んだ曲を流してくれるので、普段気付かないような曲も再生されて、新鮮な驚きがあって面白い。
もう1つの「カバーアートビュー」は、画面上にジャケット写真が無造作に並べられたような外観で、机の上にCDを並べてそこからジャケットだけで聴きたいアルバムを選ぶ、といったような感じで曲を探せる。ジャケットにタッチしてそのままドラッグすれば配置の変更もできるし、そのまま弾くように指を滑らせば、ジャケット写真は素早く飛んでいく、というエフェクトも楽しい。
音楽再生画面では、大きくジャケット写真が表示され、再生コントロールが下部に表示される。上部には前画面に戻る、Throw、ビジュアライザー表示、シャッフル、利ピーの各アイコンが数秒間だけ表示される。
ジャケット写真部分を左にフリックすると、設定されていれば歌詞が表示され、さらに左にフリックすると曲のタグ情報が表示される。ジャケット写真上で右にフリックするとアルバムの曲一覧が表示される形で、使い勝手はいい。試してみたところ、iTunesが曲に埋め込んだジャケット写真や歌詞もそのまま読み取れたので、他社のソフトで楽曲を管理している人でも簡単に移行できそう。
設定からは、イコライザーの変更も可能。ヘビー、ジャズ、ポップス、ユニークの4種類に2つのカスタム設定が可能なので、自分の好みのイコライザー設定ができる。ソニー独自のサラウンド技術VPTも搭載しており、スタジオやライブ、クラブ、アリーナ、マトリックスという5種類のサラウンド効果を設定することも可能。
さらに「DSEE(高音域補完)」機能で、CDから楽曲を取り込む際に、エンコードすることで失われがちな高音域をクリアに再生してくれたり、左右の音をクリアに分離してくれる「クリアステレオ」、音量レベルをそろえる「ダイナミックノーマライザー」を搭載。本体背面のスピーカーからの音質を向上させる「xLoud」「Clear Phase」も搭載しており、高音質化機能をふんだんに盛り込んでいる。
それに加えて、同梱のヘッドホンでもノイズキャンセラー機能を搭載しているのが特徴。設定から「ノイズキャンセル」を有効にし、室内、電車・バス、航空機という3種類の状況からキャンセル強度を選べる。
実際に試してみると、さすがにノイズキャンセルはかなり優秀。周囲の雑音はなくなるが、音質はそれほど変化せず、快適に音楽を聴ける。歩行中、自転車乗車中のような場合は、逆に危なく感じるぐらいだ。
標準でノイズキャンセリングヘッドホンが付属するのは、大きな強みだ。付属のヘッドホンはさすがに最高級と言えるわけではないが、高音から低音まで無難にまとめており、比較的楽曲を選ばない印象。もう少し低音が欲しい印象もあるが、この辺りは高音質化機能を使うといいだろう。
とにかく、音質に関してはさすがにウォークマンではある。ノイズキャンセリングヘッドホンも含めて、音楽プレイヤーとしての出来は、「Android搭載端末」の中ではピカイチといってもいいだろう。