ソニーは30日、デジタルサラウンドヘッドホンシステム「MDR-DS7500」を発表した。発売は10月10日で、価格は49,350円だ。また、増設用ヘッドホン単体の「MDR-RF7500」も同時に発売され、価格は24,675円となっている。

製品は、据え置き型のプロセッサー部と、無線接続(2.4GHz/到達距離:約30m)されるヘッドホンを組み合わせた構成。デコーダーは、ドルビーデジタルやAACなどの標準的なものから、ドルビーTrueHDやDTS-HDマスターオーディオなどのHD音声フォーマット、さらにはサラウンドヘッドホンとしては業界初となる、ドルビープロロジックIIzまでも搭載する。従来モデル「MDR-DS7100」も7.1ch再生が可能であったが、ドルビープロロジックIIzは搭載しておらず、水平方向のみの音場表現となっていた。

デコードした信号を、ヘッドホンでバーチャルサラウンド再生するための演算には、DSPによるVPT(Virtualphones Technology)技術が使用されている。MDR-DS7100では1セットのみの搭載だったDSPはMDR-DS7500では2セットとなり、垂直方向の表現によるデータ量増加に対応。

また、バーチャルサラウンド機能には、「新シネマモード」「ゲームモード」「ボイスモード」の3種類のモードを装備。新シネマモードは、SCEの映画製作用ダビングシアターの測定データを使用したもので、映画館に近い臨場感を楽しむことができる。また、ゲームモードはSCEのサウンドデザイナーが監修。マルチチャンネルサウンドのゲームにマッチした特性を与えられている。

業界初、ドルビープロロジックIIzを採用し、上下方向の音場表現を可能にしたサラウンドヘッドホン「MDR-DS7500」

ヘッドホン部分は、3Dグラスとの併用も考慮された設計。3Dグラスを掛けたままでアラウンドイヤータイプのヘッドホンを装着すると、3Dグラスのフレームによってイヤーパッドと皮膚との間に隙間が生じる。その隙間から低域のエネルギーが漏れると、本来想定していたサラウンド効果を得にくくなる。そこでMDR-DS7500では、イヤーパッドの厚みを従来の2倍に増やし、素材も低反発クッションを採用。さらにイヤーパッドの表面に柔軟合皮を使用することで、3Dグラスをかけた状態でヘッドホンを装着しても、グラスのフレームによる隙間ができないようになった。

イヤーパッドの厚みを増し、柔軟性の高い素材を使用したことで、3Dグラスと併用しても隙間ができず、音漏れが発生しない。入力切り替えやモードの切り替えなどの操作部分は右側のハウジングに装備されている

ヘッドバンド部分は、電源スイッチになっており、装着すると電源がオンになる

プロセッサー部は、3系統のHDMI端子(入力用)、1系統の光デジタル入力端子、1系統のアナログ入力端子を備える。MDR-DS7100では非搭載だったHDMIを採用したことで、ブラビアリンクにも対応した。

基本スペックは、次の通り。ヘッドホンの型式は密閉ダイナミック、ドライバー口径は50mm、バッテリー持続時間は約18時間(フル充電時)/約4時間(30分充電時)、重量は約326g。データを送信するプロセッサー部は、無線到達距離が見通し距離で約30m、サイズ/重量が約W252×D159×H36mm/約480gとなっている。