理想は開放型クラウド・プリンティング・サービス

クラウド・プリンティング・サービスのプロバイダーは、「テクノロジー・プロバイダー」、「写真」、「業務用印刷」、「消費者向け」に分けられるという。テクノロジー・プロバイダーとしては、Amazon、Apple、eBay、富士ゼロックス、Google、HP、Microsoft、Yahooが挙げられた。

クラウド・プリンティング・サービスは「開放型」と「閉鎖型」の2つのタイプに大別できる。開放型サービスは、ある企業によって運用されているが他の企業もそれらのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークを用いて印刷することが可能なサービスであり、閉鎖型サービスは、運用している企業の顧客のみが利用できる専用サービスだ。

閉鎖型においては、消費財の多国籍企業がユーザーの中心であり、商品仕様書・財務分析・地域別パッケージなどの印刷が主に行われる。「すでに、MimeoやHubstといったプロバイダーがビジネスを開始している」と、同氏は実際に両社のサービスを用いた印刷物を会場で披露した。

HPのBlackBerry向け印刷サービス「CloudPrint」のWebサイト

開放型では、オフィス/ビジネス文書の印刷が中心であり、商業印刷に加えてその他のビジネス・サービスを補完的に提供する。同氏は、このサービス形態がクラウド・プリンティング・サービスの理想としたうえで、その実現には「あらゆる場所・受取人・オフィス・デバイスへの安全な出力に対応できるクラウド・コンピューティング・アーキテクチャ」が必要と指摘した。

同氏は、クラウド・プリンティング・サービスの例として、HPが提供を予定しているBlackBerry向け印刷サービスCloudPrintを紹介した。同サービスでは、BlackBerryユーザーが近くのプリンタを検索して、最適なプリンタを選択して印刷したい資料を送ると、そのプリンタから印刷物を受け取れる。同サービスは、BlackBerry Internet ServiceとBlackBerry Enterprise Serverのユーザーに提供されるという。

今すぐ、1年以内にすべきこと

同氏は、クラウド・コンピューティングにはビジネスチャンスがあるので、関連するクラウド・サービスを提供するプロバイダーはトレンドをしっかりと把握したうえで乗るべきだと述べた。さらに、クラウド・サービスを提供する際は、単純なWebインタフェースとアーキテクチャだけでなく、Webテクノロジーと標準を採用すべきだと付け加えた。

また、クラウド・プリンティング・サービスは黎明期にあり、どのビジネスモデルと価格がビジネスとして成功するかわからない状態にあるため、リスクを踏まえたうえで、いろいろと試す必要があるというアドバイスが行われた。

そして最後に、今後クラウド・プリンティング・サービスを提供するにあたり、まずは「試行する低リスクの機会を探す」べきだという。1年以内には、「クラウド・プリンティング・サービスの選択的な評価」、「クラウド向けガバナンス・ポリシーの確立」、「クラウドのツール・手法の評価と実装」、「クラウド・プリンティング・サービスの試験的な提供」を行うべきという提言によって締めくくられた。