ゲーム以外でも盛り上げる - 日清チキンラーメンのケース

この考えは広告タイアップとなるアドバゲームでも同様で、例えば「日清チキンラーメン」のアドバゲームでは、ゲーム制作以外にもオリジナルのラーメンどんぶりのプレゼントを企画した。見せてもらった現物は、ひよこちゃんが乗ったお台場ランドのロゴが箔押しされた箱に、丁寧に梱包された蓋付きどんぶりがチキンラーメン2食と共に納められていた。このどんぶりは、チキンラーメンの"卵ポケット"にうまく卵を載せられるよう底が広い形状に仕立てたという(底が狭いとめんが斜めになって、卵がうまく載らない)。非常に質の良い磁器で、もらいものにありがちな安っぽさは全くない。オマケではない、コンセプトもクオリティも本気のプレゼントだ。

期間限定アドバゲーム「日清チキンラーメン かくれんぼ大会 in ササミ浜」では特製フィギュアや特製どんぶりがプレゼントされた。こうしたプレゼント企画も、アドバゲームの一環として提案することもある

田平氏 京都のたち吉(創業宝暦二年の和洋陶磁器販売会社)で、新しく型を取り直して作ったんです。
久恒氏 卵ポケットという、商品の内容訴求にもなります。
田平氏 面倒な分野ではあるんですけど。商材に合わせてゼロから企画する、パターンを当てはめて作るのは難しい。
久恒氏 イベントもそうですが、可能な限りリアルも絡めてやっていこうと。

特選どんぶりが当たるかくれんぼゲームは終了している。現在プレイできる日清チキンラーメンのアドバゲームは「さるとり合戦! 半熟温泉編」。温泉卵を横取りしようとするサルを、ピコピコで撃退する

このプレゼントは、浜辺でかくれんぼをする"チキラーズ"を探すゲームをプレイして、金の卵を掘り当てた人だけが応募することができるという仕掛け。期間中のゲームプレイ回数は約30万回を記録したという(CTR26.8%)。ユーザーは金の卵を求めて毎日のようにチキンラーメンとキャラクターを目にしていたことになる。かなりの確率でおやつや夜食がチキンラーメンになったことだろう。また、応募者からは「チキンラーメン大好きです!」などの熱のこもった感想が多数寄せられている。

他のゲームにおいても、アンケートを募れば何のインセンティブが無くても多数の回答が寄せられるなど、ユーザーの反応はアクティブだという。お台場ランドでは、積極的に企画に乗り、参加してくれるユーザーと、商材に合わせたオーダーメイドのコンテンツという関係が、仕組まれたものではなく育っている。