Webサイトを閲覧する場合、Webブラウザを使っているはずです。NCSA Mosaicから現在多くのシェアを占めているGoogle Chromeまで紆余曲折ありました。
・NCSA Mosaic
https://ja.wikipedia.org/wiki/NCSA_Mosaic
NCSA MosaicやGoogle Chromeなどはテキストと画像を混在して表示してくれます。が、このようなテキストと画像を一緒に表示するブラウザとは別の種類のブラウザもあります。それがテキストブラウザです。テキストブラウザはHTMLデータからテキスト(文字)部分だけを抽出して表示するだけです。スクリプトなども実行されない場合がほとんどですのでマルウェアなどが入り込む余地はありません。テキストブラウザはプログラムの勉強として作ってみた人もいるかもしれません。手抜きをすればHTMLのタグを削除して画面に出力するだけというものも作れます。閲覧するだけなら十分な場合もありますが、昨今のWebはスクリプト処理が必須なページもあるのでテキストブラウザでは期待通りに表示されないこともあるかもしれません。
今回はテキストブラウザの1つであるLynxを使ってみることにします。Lynxを使うとちょっとした便利なことがあるためです。例えばコマンドラインでとあるWebページにXYZの文字が含まれているか調べたい場合に便利だからです。これに関しては次回に説明します。
なお、今回はUbuntu 24.04LTS (Linux)に関してはmacOS上でUbuntuを動かしています。(Multipassを使用)
Raspberry Piに関してはFull Installした場合、最初からLynxがインストールされているので今回は何もする必要はありません。
Lynxのインストール(Ubuntu)
まずは、Lynxをインストールしていきます。標準で入っている可能性は無いと思われますが、最初からLynxが入っているか調べるにはwhichコマンドを使います。Lynxがインストールされている場合はパスが表示されます。
Lynxがインストールされていない場合はコマンドラインから以下のように入力します。
sudo apt install lynx
しばらくするとYes/Noと聞かれるのでY(大文字小文字問いません)と入力しリターンキーを押します。しばらくするとインストールが終了します。
Lynxがインストールされているか確認します。which lynxと入力します。
バージョンを確認するにはlynx -versionと入力します。
これでUbuntu (Linux) へのLynxのインストールは完了です。
Lynxのインストール(macOS)
macOSの場合はHomebrewを使ってインストールするのが楽です。まず、Homebrewのページにアクセスします。
ページの上の方にインストールの文字があり、その下に以下のコマンドがあります。これをコピーしてからターミナルへペーストします。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
管理者のパスワードを求められるので入力します。
次に進むかどうか確認のメッセージが表示されます。このまま進める場合はリターンキーを押します。
しばらくするとインストールが終了します。
次にLynxをインストールします。以下のようにコマンドを入力します。
brew install lynx
しばらくするとインストールが終了します。
無事にインストールされたか確認します。
バージョンを確認するにはlynx -versionと入力します。
LynxでWebサイトを表示する
それではLynxがインストールできたところでWebページを表示してみましょう。コマンドラインからlynxと入力してからページURLを入れる方法とコマンドラインでURLを指定する方法があります。
まず、Lynxが起動した後でURLを入力してページを表示してみます。コマンドラインでlynxと入力します。URLが指定されていないのでLynxのデフォルトページが表示されます。
この状態でGキーを押します。その後、表示したいページのURLを入力します。すると指定したURLのページが表示されます。なお、ページが表示される前にクッキーを受け入れるかなどの確認メッセージが何度か表示されることがあります。yキーやnキーを押して対処してください。
スペースキーを押すと次のページへ、bキーを押すと前のページに戻ります。
Lynxを終了するにはqキーを押します。確認のメッセージが表示されるのでyキーかqキーを押すと終了します。
LynxでWebサイトを表示する(コマンドラインから)
次にコマンドラインでURLを指定してみましょう。これは単純にlynxの後に表示したいURLを指定するだけです。
lynx https://www.google.co.jp/