艦艇に限ったことではないが、「現用中の装備品が老朽化しました、能力的にも見劣りするようになってきました。そこで新しい後継装備を開発・調達して置き換えます」という話が出る。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照

  • 横須賀に寄港した、英海軍の23型フリゲート「アーガイル」。このクラスの後継として、26型の建造計画が進んでいる。マストの頂部に載っているのがARTISAN対空三次元レーダー 撮影:井上孝司

すべてを一斉に一新するとリスクが増える

そこで車両・艦・航空機といったプラットフォーム(いわゆるドンガラ)と、そこに搭載する武器やセンサーやコンピュータ(いわゆるアンコ)の両方を新規開発すれば、一気に能力向上を図ることができる。

それはそれでメリットがある話だが、ウェポン・システムの高度化・複雑化とコスト上昇により、単純に喜べない話になってきた。何もかも一斉に新規開発するということは、それだけ開発リスクも増えるということだからだ。

もちろん「新しい酒は新しい革袋に」という考え方にも理はある。しかし、だからといって開発に難航したり、著しいコスト超過に見舞われたりして、開発計画そのものがおじゃんになってしまったのでは、身も蓋もない。

米陸軍のFCS(Future Combat System)がいい例だが、ラジカルな大風呂敷を広げれば、それだけ開発に際してのリスクは大きくなるし、失敗したときのダメージも大きい。もうちょっと堅実かつ確実なアプローチはないものか。

26型の装備を23型に先行導入

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