東北大学は2022年8月3日、緑内障を早期発見できるゲームアプリを開発したと発表した。

日本人の中途失明の原因の1位は緑内障。この緑内障を短時間で楽しみながら早期発見できるのだ。今回は、そんな話題について紹介したいと思う。

緑内障を早期発見できるゲームとは?

東北大学大学院医学系研究科の中澤徹教授、矢花武史特任助手と仙台放送は、緑内障の早期発見が可能となるゲームアプリ「METEOR BLASTER」を開発。

METEOR BLASTERは、スマートフォン用のゲームで宇宙空間を舞台としたシューティングゲームだ。ちなみに2022年7月11日に日本において特許も取得している。

では、このMETEOR BLASTERとはどのようなゲームだろうか。このゲームは、宇宙空間において画面中央に飛んでくる隕石をレーザーで破壊するというもの。ユーザーの右目、左目と片目ずつ計5分間ゲームを実施することで、視野の状態を簡易的に判断できるという。

  • 緑内障の早期発見が可能となるゲームアプリMETEOR BLASTER

    緑内障の早期発見が可能となるゲームアプリMETEOR BLASTER(出典:東北大学)

では、なぜ東北大学と仙台放送はこの緑内障の早期発見が可能となるゲームアプリを開発したのだろうか。

日本人の中途の失明原因の1位となる緑内障は、自覚症状がなく、発見するときには病状が大きく進行しているケースが多いという。

そこで、東北大学と仙台放送はゲームを利用した緑内障の早期発見診断方法を考案。このゲームにおける素晴らしい点は、画面中央部をユーザが注視しているときに画面の外周部に表示されたオブジェクトへのユーザーの反応を評価することで、従来より容易で、正確なユーザの視野に関する情報を得られ、評価することを可能にしたのだ。

発表したプレスリリースには、このような記載がある。

「今後は“eスポーツによる目の健康促進”という観点から、更なる機能拡張を図るとともに、さまざまな業界・団体・企業などと連携しながら社会実装を進めてまいります」と。

いかがだったろうか。

病気とエンタメを組みあわせて誰でも気軽に病気を発見することができる素晴らしい取り組みだと感じる。

検査を受ける、検査に行くというストレスも解消できる。今回の発表は眼に関することだが、健康診断や人間ドックの中には、検査において苦痛になるものも少なからずある。もし楽しく気軽に早期発見できる今回のような東北大学の取り組みが眼以外の他の検査項目でも応用されたらと考えると未来の健康チェックは明るいだろう。