黒田精工は4月21日、安定した離陸と長時間飛行に応えるために開発された「空飛ぶモビリティに最適なモーターコア」の販売を同月より開始することを発表した。
4月13日に開幕した「大阪・関西万博」にてデモフライトが行われたことでも話題を集める“空飛ぶモビリティ”では、安定した離陸と長時間飛行を実現するため、小型軽量かつ高出力のモーターコアが求められる。
黒田精工は、鉄とコバルトを同じ割合で混ぜた合金で、通常の電磁鋼板に比べて高磁束密度・高透磁率・低鉄損という特性を有するパーメンジュールをモーターコアの材料に使用。軽量かつ出力が高く、広範囲なサイズにも対応可能な同材料を用いることで、長時間の飛行が求められる空飛ぶモビリティ用途に最適な部品を実現したとする。
このように優れた特性を持つパーメンジュールだが、その特性を実現するためには焼鈍工程が必要であり、従来は焼鈍後の単板を積層する技術が無く、量産ができなかったとのこと。しかし今回同社は、高速型外接着積層技術を開発し、パーメンジュール材を実用化したとする。なお生産に必要なパーメンジュール材は、黒田精工が自社調達を行うとした。
同社は、パーメンジュール材の使用により、通常の電磁鋼板やアモルファスでは満足できなかった性能に対し、検討可能な仕様の範囲を拡大できるため、空飛ぶモビリティの普及に貢献することが期待できるとしている。