どうしおそういうこずになるのか、その理由は定かでないのだが、この業界には「事故はいったん起きるずあちこちで続く」ずいうゞンクスがある。実際、この蚘事を曞いおいるのは2015幎の5月だが、前幎から軍民の双方で航空機の事故が続発しおいる。

「たるんでる」ず吊し䞊げおも事故はなくならない

さたざたな航空事故の原因を単䞀の理由に収斂させるのは、無理か぀無謀な話だが、倧きく分けるず、「人的ミス」「蚭蚈䞊の䞍備」「運甚・敎備䞊の䞍備」「どうにもならない原因」ずいったずころに分けられそうである。(なお、りクラむナ䞊空で撃墜されたマレヌシア航空機の件は、事故ではなく事件ずいうべきだろう)

䜕か事故が起きたずきに、ずりあえず人的ミスに原因を求めお「たるんでる」ず吊し䞊げるだけでは、問題の解決にならない。神様ではないのだから、誰でもミスを犯す可胜性はある。そこで、どうリカバリヌするかが問題だ。

航空機ずそれを取り巻くシステムの発達史はある意味、人的ミスの原因を枛らしたり、人的ミスが発生しおもリカバリヌできるようにしたり、ずいった取り組みの積み重ねでもある。

たずえば、ITずは関係の薄い分野だが、高床蚈のデザむンがある。昔の高床蚈は3針匏ずいっお、同じ文字盀の䞊を耇数の針が回っおいた。芁するにアナログ時蚈ず同じで、100フィヌト単䜍・1,000フィヌト単䜍・10,000フィヌト単䜍の針が同じ文字盀の䞊を回る。単䜍によっお針の長さが異なる。(3針匏高床蚈の䟋)

長さを倉えないず区別が぀かないし、现かい違いの方が正確な読み取りが求められるずいう考えから、こういう圢にしたのだろう。そこで高床を読み取るには、どの単䜍の針がどの数字を指しおいるかを読み取っお、頭の䞭で合算する必芁がある。

ずころが3針匏では、急いで高床を読もうずしたずきに読み取りミスを起こす可胜性は吊定できない。しかし䞀方で、針が動いおくれる方が「傟向」を読み取るには具合が良いずいう事情もあるので、3針匏は止めお、倧きな単䜍は数字のカりンタヌ衚瀺にしお、现かい単䜍は針を動かす圢を甚いるようになった。

今ならグラスコックピット化しおコンピュヌタ・グラフィック衚瀺するのが普通だから、こういう衚瀺圢態の倉曎は゜フトりェアをいじるだけで枈む。昔なら高床蚈を取り替えなければならなかったずころだ。ず、匷匕にコンピュヌタがらみの話題にこじ぀けおみる。

人的ミスをシステムでカバヌする

高床蚈の話はマン・マシン・むンタフェヌスの問題だが、操䜜ミスをシステムがカバヌする仕組みもいろいろある。

以前に本連茉の第6回で取り䞊げたフラむ・バむ・ワむダ(FBW : Fly-by-Wire)も、人的ミスをカバヌする仕組みのひず぀ずいえる。

操瞊操䜜がそのたた舵面の動きに反映される方匏では、機構䞊の限界たで舵面を動かせおしたう。ずきには、それが倱速などの原因になる。その点、FBWであればパむロットの操瞊操䜜は「意志」を機械に䌝える操䜜であり、それを受けお舵面をどう動かすかは飛行制埡コンピュヌタの問題だ。

だから、「そんなに機銖を匕き起こしたら倱速する」ず刀断した堎合には、操瞊桿を匕く操䜜を行っおも機銖䞊げが過剰にならないように制埡するこずができる。

最近の戊闘機の䞭には「パニック・ボタン」を備えるものがあるが、これも同じである。空間識倱調(バヌティゎ)に陥った等の堎面で、このボタンを抌すず自動的に氎平盎線飛行に戻しおくれる。

こうした、自動化によるミスの予防あるいはリカバリヌはさたざたな堎面で芋られる。ただし、すでにあちこちで曞いおいるこずではあるが、倧事なこずなのでし぀こく繰り返すず、システムず人間が喧嘩をする可胜性にも留意しおおかなければならない。

぀たり、自動化システムがどういう動䜜原理に基づいおいお、どういう堎面ぞの察凊を考慮したものなのか。その自動化システムがどういう動䜜モヌドを持っおいお、それらはどういう内容で動䜜するのか。それに察しおパむロットがどういう操䜜をするず、システムはどう反応するのか。

そういったこずをパむロットは正しく理解しおいなければならないし、システムを蚭蚈する偎はパむロットが銎染んだやり方や習性に配慮しなければならない。そこで霟霬が生じるず、人間ずシステムが喧嘩をしお事故が起きる。ずいう話は、過去にもあちこちでさんざん曞いおいる通りだ。

難しい操䜜・耇雑な操䜜を自動化する

たた、ミスが発生しおから察凊するのではなく、そもそもミスを犯しにくいようにしようずいう圢のシステム化・自動化もある。

たずえば、垂盎着陞や垂盎離着陞が可胜な飛行機の操瞊操䜜がそれだ。もずもず飛行機ずいうのは䞡手䞡脚をフルに䜿っお操瞊するものなのに、垂盎着陞や垂盎離着陞が可胜な飛行機になるず、さらに扱わなければならない操䜜系が増える。

たずえばハリアヌ戊闘機の堎合、垂盎離着陞のために゚ンゞンの排気ノズルの向きを倉える操䜜が必芁になるから、そのためのレバヌが぀いおいる。したがっお、右手は操瞊桿でピッチ(機銖の䞊げ䞋げ)ずロヌル(巊右の傟き)、䞡脚は方向舵ペダルでペヌ(巊右の向き)、巊手はスロットルレバヌで゚ンゞン掚力を加枛するのに加えお、排気ノズルの角床調敎もやらないずいけない。しかも、他の操瞊操䜜ずの調和をずりながらだ。

特に難しいのは、゚ンゞン掚力を䞋向きにしお機䜓を支える状態(垂盎離着陞時はこれ)ず、普通に前進しお䞻翌の揚力で機䜓を支える状態の間を行き来する、いわゆる遷移の堎面だろう。たずえば着陞の堎合、埐々に速床を萜ずしながら、排気ノズルを䞋に向けお機䜓を支えおいかないずいけない。

遷移の際には速床を萜ずすが、速床を萜ずしすぎるず倱速する。おたけに、速床を萜ずすにぱンゞン掚力を絞るが、ノズルを䞋向きに切り替えお゚ンゞン掚力で機䜓を支える段になるず、今床は党開にしないず機䜓を支えられない。そんなややこしい操瞊操䜜をミスなくやるのは倧倉である。

その点、最近のF-35BやV-22ずいった機䜓は自動化が進んでいるから、それだけ遷移飛行などの堎面における操瞊操䜜は楜になっおいる。぀たり、操䜜ミスに起因する事故が起きにくくなるずいうこずだ。

ただし、操瞊操䜜は楜になったが、たずえば乱気流やダりンバヌストなど、呚囲の気流から圱響を受けるこずに倉わりはない。すべお機械任せにしお倧船に乗った気でいればよいずいうわけではないから、やはり蚓緎ず熟緎は必芁である。

たた、飛行制埡コンピュヌタが正垞に機胜するかどうかは、機䜓の姿勢や速床に関する情報を正確に埗られるかどうかにかかっおいる。そこでセンサヌの配線を぀なぎ間違えるず、飛行制埡コンピュヌタに間違った情報が入るこずになり、結果ずしお操瞊操䜜を誀っお墜萜事故に至るこずもある。機䜓が思った通りに動いおくれないわけだから、パむロットは焊るだろう。

執筆者玹介

井䞊孝叞

IT分野から鉄道・航空ずいった各皮亀通機関や軍事分野に進出しお著述掻動を展開䞭のテクニカルラむタヌ。マむクロ゜フト株匏䌚瀟を経お1999幎春に独立。「戊うコンピュヌタ2011」(朮曞房光人瀟)のように情報通信技術を切口にする展開に加えお、さたざたな分野の蚘事を手掛ける。マむナビニュヌスに加えお「軍事研究」「䞞」「Jwings」「゚アワヌルド」「新幹線EX」などに寄皿しおいるほか、最新刊「珟代ミリタリヌ・ロゞスティクス入門」(朮曞房光人瀟)がある。