NTTドコモは11月4日、2026年度第2四半期の決算を発表し会見を開いた。営業収益は前年同期比2494億円(8.2%)増の3兆2821億円、営業利益は同73億円(1.5%)増の4821億円となり、対前年で増収増益だった。

設備投資は同415億円(11.7%)増加し3970億円。EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:利払い・税引き・減価償却前利益)は同289億円(3.4%)増の8852億円、株主に帰属する四半期利益は103億円(3.0%)減の3295億円となった。

  • NTTドコモ 2026年度第2四半期 決算概況

    NTTドコモ 2026年度第2四半期 決算概況

こうした好調な業績を受けて、同社は通期の営業利益を前回公表から200億円上方修正した。さらに、この利益を原資に安定したネットワーク品質確保のための設備投資を430億円増額する。

代表取締役社長の前田義晃氏は「トラフィックの増加やコストの上昇が続く中でも、お客様に安定した通信品質をお届けするには、継続した投資が欠かせない。料金見直しにより投資を支える収益を確保していく」とコメントした。

  • NTTドコモ 代表取締役社長 前田義晃氏

    NTTドコモ 代表取締役社長 前田義晃氏

  • NTTドコモは通期業績予想を上方修正した

    NTTドコモは通期業績予想を上方修正した

ドコモの増収増益をけん引したスマートライフ事業、金融が好調

事業別に収益の増減を見ると、スマートライフ事業は金融を中心に全ての領域が増収増益を記録。全体の成長をけん引した。

モバイル通信サービスは収入減幅が引き続き縮小傾向にあるが、販促強化費用やネットワーク強靭化に向けた費用が拡大し、コンシューマ通信領域としては減益となった。

「昨年度の下期から販促を強化しており、強化前の昨年度上期に比べて費用が276億円増加している。その一方で、端末割引や店頭施策を見直し、獲得効率を高める取り組みを進めている」(前田氏)

  • セグメント別の営業利益増減

    セグメント別の営業利益増減

ドコモMAXが500万契約突破、ARPUは4040円に上昇

コンシューマ通信事業において、MNPが転入超過の状況が続き、4四半期連続でプラスに。

他社からの乗り換えに加え、新規の回線契約数も伸びているという。第2四半期における新規契約数は前年同期比で33%増、うち15歳以下の若年層では63%の増加だ。スマホデビュープランや親子割など、若年層向けの施策が功を奏したとのことだ。

さらに、ドコモMAXやドコモ ポイ活 MAXなど付加価値の高い通信サービス、ドコモ光・ドコモでんきなどイエナカサービス、d払い・dカードなど金融サービスを利用しているロイヤルユーザーも拡大中だ。ロイヤルユーザーの数は前年同期から230万増化している。

ドコモMAXは10月27日時点で500万契約を突破。このユーザー拡大を受け、ARPU(Average Revenue Per User:ユーザー当たりの平均売上高)が前年同期から80円増の4040円に。また、12月に予定されているプラン料金の見直しなどを背景に、ARPU通期予想を4010円から30円増の4040円に引き上げた。

  • ARPU通期予想を引き上げた

    ARPU通期予想を引き上げた

個人名義のモバイル通信サービス収入の減少幅は、2025年度第2四半期の221億円から、今期は46億円まで縮小している。通期予想を200億円上方修正したことで、今年度に増収へと転じる見込みだ。

  • モバイル通信は今年度増収へと転じる予想だ

    モバイル通信は今年度増収へと転じる予想だ

スマートライフは金融がけん引、ドコモショップを起点にさらに拡大

スマートライフ事業は金融、マーケティングソリューション、エンタメの各領域がそれぞれ増収。営業収益は前年同期比34%増の8372億円となった。

特に金融領域が好調で、金融・決済取扱高は9兆3100億円と前年同期から1兆円以上伸長している。d払いやdカードの利用も拡大した。

金融領域を拡大する同社の顧客基盤を支えるのが、街のドコモショップ。これまでにスマホ教室や手続きのサポートで培った対面の安心感を強みに、ネット銀行ならではの利便性を組み合わせ、新たな顧客層の開拓も進める。今年度中に銀行サービスを取り扱う店舗を1000店まで拡大する方針だ。

  • ドコモショップを利用し金融サービスの顧客接点を強化する

    ドコモショップを利用し金融サービスの顧客接点を強化する

法人事業はAI・セキュリティ需要を取り込み新規受注が9%増

法人事業はシステム構築や導入を支援するインテグレーションと、クラウドなど基盤サービスを提供するプラットフォームを中心に増収。企業のAI活用やセキュリティ強化に関する需要が高まっている。

  • 法人事業の成長領域は収益が5.6%伸長

    法人事業の成長領域は収益が5.6%伸長

システム開発費用の高騰など一過性の影響があり減益となったものの、受注は引き続き好調で、全体で対前年同期比9%増加した。セキュリティをはじめとする成長領域の新規受注は同29%増加した。

  • セキュリティ需要から新規受注が拡大しているという

    セキュリティ需要から新規受注が拡大しているという

「案件ごとの納期と採算を管理し受注案件を着実に利益につなげ、下期の利益改善と年間計画の達成を目指す」(前田氏)

NTTドコモビジネスが中心となり展開するAI時代のインフラ戦略「AI-Centric ICTプラットフォーム」は、導入企業が約2000社に達した。コンテナ型の液冷式データセンター「コンテナDCパーク」や、必要に応じてGPUを利用できる「GPUaaS」など、AI時代の需要に対応するコンピューティングサービスを今後も展開していく。

ネットワーク品質を改善し主要鉄道で体感品質向上

2025年度下期に確立した基地局構築のペースは、2026年度上期も継続している。4500局の5G基地局を構築し、累計の基地局(5G+LTE)は32万3900局まで増加した。

基地局の増加などを背景に、ネットワーク品質の改善も進んでいる。全国の主要鉄道59路線のうち、通勤・通学時にHD動画を快適に視聴できるとする同社の通信品質基準を満たした路線は30路線に増加した。2026年度末までに39路線以上への拡大を目指す。

  • 通信の体感品質が向上した路線が拡大した

    通信の体感品質が向上した路線が拡大した

2026年9月からは、一部のイベントでノキア製の最新基地局装置を順次導入。ノキア製Massive MIMOとの接続に加え、無線ネットワーク最適化技術「Dual Boost」を適用することで、上り・下りの通信速度が約20~30%向上したことを確認した。