NTTは11月4日、2026年度第2四半期の連結決算を発表し会見を開いた。営業収益は前年同期比5894億円(8.7%)増の7兆3622億円、営業利益は同1150億円(12.2%%)減の8301億円となり、対前年増収減益となった。営業収益は過去最高額を更新している。

EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:利払い・税引き・減価償却前利益)は同848億円(4.9%)減の1兆6557億円。当期利益は955億円(16.0%)減の5002億円。

  • NTT 2026年度第2四半期 連結決算概況

    NTT 2026年度第2四半期 連結決算概況

NTT 代表取締役社長の島田明氏は「前年度の一過的な利益の反動減を除けば増益であり、想定通りの進捗である」と補足した。

さらに同氏は、McLaren Racing(マクラーレン)と2027年1月より、複数年にわたってMcLaren Mastercard Formula 1 Teamのオフィシャルパートナーとなることに合意したと発表した。

NTTはAIセキュリティガバナンスなどにおける技術支援を行うほか、両社が持つ顧客やファン基盤を生かしたビジネス共創につなげるという。また、NTTはフォーミュラ1(F1)への協力によって、中南米や欧州、アジアでの認知向上を狙う。

  • NTT 代表取締役社長 社長執行役員 CEO 島田明氏

    NTT 代表取締役社長 社長執行役員 CEO 島田明氏

ドコモMAXが好調、スマートライフ事業が拡大

事業セグメント別の収益・利益状況を見ると、総合ICT事業は顧客基盤の強化やネットワーク品質の改善に向けたコスト投下がありながらも、金融をはじめとするスマートライフ事業が拡大し対前年同期比2494億円増収、73億円増益となった。

顧客基盤強化の結果、MNP(Mobile Number Portability:携帯電話番号ポータビリティ)はプラスのまま維持。ドコモMAXの販売も好調でARPU(Average Revenue Per User:ユーザー当たりの平均売上高)も改善し、モバイル通信収入は改善が見られているという。

島田氏は「モバイル通信サービス収入の増収反転に向けて引き続き取り組んでいく」とした。

グローバルソリューション事業は国内外の事業成長と為替の影響によって2563億円の増収となった一方、前年度のデータセンターのREIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)化に伴う一過性利益の反動を受け、対前年で1248億円の減益だった。

また、地域通信事業はレガシービジネス収入の減少があったものの、光通信ビジネスが拡大し前年からわずかに増収増益。

その他事業(不動産・エネルギーなど)はNTTアーバンソリューションズにおける住宅事業の拡大やNTTアノードエナジーの電力販売増加により、増収減益。燃料価格高騰に伴う電力調達コスト増などが減益の主な要因とのことだ。

  • セグメント別の収益状況

    セグメント別の収益状況

通期収益を200億円上方修正しネットワーク設備投資を拡大

NTTドコモにおける販売の好調やモバイル料金の改定から、モバイル通信サービスの増収が見込める。同社はこれを受けて、営業収益を当初予想(2026年5月8日公表)の15兆600億円から200億円増となる15兆800億円へと上方修正した。

同様に、EBITDAは200億円増の3兆4500億円、営業利益も200億円増の1兆7300億円、当期利益は140億円増の9940億円に、それぞれ上方修正。

また、上方修正した利益などを原資として、NTTドコモはモバイル通信の品質改善に向けた設備投資を強化。投資の年間計画を当初予想の2兆4300億円から430億円増額し2兆4730億円とした。

「年間計画の達成に向け、引き続き顧客基盤の強化に取り組みつつ、国内外の法人ビジネスやスマートライフ事業の拡大に取り組んでいく」(島田氏)

  • 営業収益・利益をそれぞれ200億円上方修正

    営業収益・利益をそれぞれ200億円上方修正

個人情報漏えいの疑いについて島田社長が謝罪

昨今世間を賑わせているサイバー攻撃について、島田氏は「主要なネットワークサービスや、インフラを支える生活基盤システムには深刻な影響が出ていない」と説明した。

しかしその裏側では、10月のサイバー攻撃検知数は前年同月の7倍まで増加しているそうだ。

一方で、NTTグループおよびその委託先において、顧客情報の漏えいが12件発生している。内訳は、NTTグループに関連するものが5件、委託先に関連するものが7件だ。

これに加えて、フィッシングメール詐欺により、グループ社員のメールが悪意のある攻撃者に一部閲覧された可能性もあるとのことだ。

島田氏は「お客様情報の漏えい事案が出てしまい、本当に申し訳ございません」と謝罪した。