このロボットニュースのまとめ
・ugoが「ugo mini G2」の生産をキヤノン電子に委託
・2026年10月から美里事業所で量産を開始し、11月24日から順次提供
・量産技術と品質管理を活用し、複数拠点や複数台での導入需要に対応
ugoは、設備点検の自動化を支援するAIロボット「ugo mini G2」の生産をキヤノン電子に委託し、2026年10月から同社の美里事業所で量産を開始したことを発表した。
ugo mini G2は2026年11月24日から順次提供する予定。キヤノン電子が培ってきた量産技術と品質管理のノウハウを活用し、拡大する需要や複数拠点、複数台での導入に対応できる安定供給体制を構築する。
生産形態にはEMS(電子機器受託製造サービス)を採用する。キヤノン電子の美里事業所でugo mini G2を量産し、設備点検現場への導入拡大を支援する。
従来モデルは発売約1年で累計100台を出荷
ugoはこれまで、製品の開発と生産を近接させた体制を構築し、設備点検の現場から得られた意見を製品の改良へ反映してきた。
従来モデル「ugo mini G1」は、2025年の発売から約1年で累計出荷台数が100台を超えた。半導体工場や発電所、データセンターなど、継続的な設備点検を必要とする現場へ導入先が広がっている。
半導体工場では、製造装置や付帯設備の安定稼働を維持するため、メーターや表示灯、配管、ポンプなどを定期的に確認する必要がある。データセンターや発電所でも、広い施設内に設置された多数の設備を巡回し、異常の有無を確認する業務が発生する。
こうした巡回点検には人手と時間がかかるほか、人材不足や作業者の負担、点検品質のばらつきなどが課題となる。ugo miniは施設内を自律走行し、搭載したカメラやセンサーで設備の状態を取得することで、点検作業の省人化と効率化を支援する。
従来モデルの導入拡大を受け、ugo mini G2では、単一拠点への導入だけでなく、複数の工場や施設への展開、1つの拠点に複数台を配置する運用など、まとまった台数の需要が見込まれている。
キヤノン電子の美里事業所で量産
ugo mini G2の生産を担うキヤノン電子は、カメラ部品や業務用スキャナーなどの精密機器を長年にわたって量産してきた。
今回の生産委託では、キヤノングループの品質基準に沿った生産体制に加え、グループ全体で部品を一括調達する集中購買の仕組みを活用する。
部品の調達から組み立て、品質管理までを量産に適した体制で行うことで、製品品質とコストを両立しながら生産台数を増やす。複数拠点への一括導入をはじめ、まとまった台数の要望にも対応しやすい供給体制を整えるとしている。
生産拠点となる美里事業所は埼玉県に位置する。ugoは、キヤノン電子の量産技術や品質管理のノウハウを活用することで、自社を中心とした従来の生産体制から、フィジカルAI製品の普及を見据えた量産体制へ移行する。
AIロボットの社会実装には安定供給体制が必要
AIロボットを設備点検へ導入する場合、現場の環境に対応できる走行性能、認識性能、点検機能に加え、必要な台数を安定して供給できる生産体制が求められる。
特に、全国に工場やデータセンターを展開する企業が複数拠点へ導入する場合、ロボットごとの性能や品質のばらつきを抑え、保守部品を含めて継続的に供給できる体制が重要となる。
ugo 代表取締役CEOの松井健氏は、AIロボットの社会実装を拡大するためには、現場の業務を担える技術と、品質を確保しながら必要な台数を安定供給できる生産体制の両方が不可欠だと説明している。
同社はキヤノン電子による量産を通じてugo mini G2の供給力を高め、より多くの顧客による導入ニーズに対応する。現場から得た意見を製品やサービスの改善につなげながら、開発と供給の両面からAIロボットの継続的な活用を支援する方針だ。
また、キヤノン電子 代表取締役社長の橋元健氏は、同社が培ってきたものづくり技術を活用し、高品質かつ安定した製品供給に取り組むとしている。
半導体工場ではSub-Fabの日常点検に活用
ugo miniはすでに半導体工場における設備点検にも導入されている。
ルネサス エレクトロニクスの那珂工場では、半導体製造装置を支える付帯設備が配置されたSub-Fabエリアにugo miniを導入。ロボットがエリア内を自律走行し、設備の点検箇所をカメラで撮影するほか、取得した点検データをAPI経由で既存の点検システムと連携している。
同工場では2025年から実証実験を進め、需要の高まりを受けて段階的に増台してきた。現在は3台を運用し、日常点検の省力化に活用している。
半導体工場やデータセンターでは、設備を長時間停止させることが難しく、稼働を続けながら状態を継続的に確認する必要がある。点検ロボットを活用すれば、人が常時巡回する負担を抑えながら、撮影画像やメーターの数値などを継続的に記録できる。
ugoは、AIロボットを日常業務の一部として運用できる体制を整え、半導体工場、発電所、データセンターなどにおける設備点検の自動化と省人化を進めるとしている。