この半導体ニュースのまとめ
・日清紡マイクロデバイスがMUSESブランドとして電源IC「MUSES130」を発売
・20V定格で出力雑音電圧9μVrms、リップル除去率75dBを実現
・MUSESオペアンプと組み合わせ、ハイエンドオーディオ機器の高音質化を支援
日清紡マイクロデバイスは10月28日、高音質オーディオデバイスブランド「MUSES」において、ハイエンドオーディオ機器向けのアナログ半導体として正電源LDO「MUSES130」を発売した。サンプル受注を同日より開始している。
MUSESは、同社が主に高音質オペアンプを展開してきたブランド。MUSES130では、MUSESで培った高音質化技術を電源ICへ広げ、オーディオ回路の信号経路だけでなく、電源からも高音質化を支援する。
MUSESブランドの電源IC
オーディオ機器では、D/Aコンバータ、I/V変換アンプ、ローパスフィルター、ラインアンプ、ヘッドホンアンプなどのアナログ回路で、信号経路に加えて電源品質も音質を左右する。
電源に含まれるノイズやリップルがアナログ回路へ入り込むと、微小な信号に影響を与える可能性がある。このため、ハイエンドオーディオ機器では、オペアンプなどの性能を引き出す低ノイズで安定した電源が求められる。
MUSES130は、先行して展開しているMUSESオペアンプの電源として組み合わせることを想定した、MUSESブランドの電源ICとなる。
音質を重視した回路設計、素子や配線のレイアウト、材料、組立技術を採用。出力電圧や電流、ノイズなどの電気的特性だけでなく、オーディオ機器における聴感上の品質にも配慮したという。
出力雑音電圧9μVrms、リップル除去率75dB
MUSES130の入力電圧範囲は2.3~19.0V、出力電圧範囲は1.8~17.0Vで、最大定格は20V。出力電流は200mAとなる。
出力雑音電圧は代表値9.0μVrmsで、測定周波数範囲は10Hz~80kHz。リップル除去率は1kHz時に代表値75dBを実現した。
電源由来のノイズとリップルを抑え、オーディオ回路へ安定した電源を供給することで、高品位な信号処理を支援する。
自己消費電流は代表値200μAで、動作温度範囲は-40~+125℃。サーマルシャットダウン機能と過電流保護機能も備える。
バイポーラプロセスで低ノイズ化
MUSES130は、バイポーラプロセスを活用したハイエンドオーディオ向けの電源ICとして開発された。
日清紡マイクロデバイスは、バイポーラプロセスとMUSESブランドで培った高音質化技術を組み合わせ、オーディオ用途で重視される低ノイズ特性と音質を考慮した構成を採用したとしている。
パッケージには、3.0mm×3.0mm×0.75mmの小型・高放熱型「DFN3030-8-GQ」を採用。機器の小型化や基板設計の自由度を高めるとともに、高出力時における安定動作を支援する。
I/V変換アンプ、ローパスフィルター、ラインアンプ、ヘッドホンアンプなど、MUSESオペアンプが使用されるアナログ回路の電源用途を想定している。
2027年第1四半期に負電源品を量産へ
オーディオ用のアナログ回路では、正負両方の電源を使う構成が多い。今回発売したMUSES130は正電源LDOであるため、同社は組み合わせて正負電源を構成するための負電源品も開発している。この負電源品は2027年第1四半期の量産開始を予定しているという。
正電源品と負電源品をそろえることで、MUSESオペアンプを中心とするハイエンドオーディオ回路に対し、信号処理用ICだけでなく電源まで含めたトータルソリューションの提案を強化する。
サンプル価格は550円、月産10万個を計画
MUSES130のサンプル価格は、1000個購入時の参考単価で550円。2026年10月28日からサンプル受注を開始しており、月産規模は10万個を計画する。
日清紡マイクロデバイスは、MUSESブランドにおける製品領域をオペアンプから電源ICへ拡大し、低ノイズで安定した電源供給によって、ハイエンドオーディオ機器全体のさらなる高音質化に貢献するとしている。
