ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は10月27日、新たな起業支援制度「スタートアップ・スピンオフ・プログラム」を11月1日に開始すると発表した。同社が展開する挑戦支援プログラム「DeNA Startup Loop」の第四弾となる。
対象は、同社のスタートアップスタジオ「BAKERU」で立ち上げた新規事業だ。事業検証の後半段階まで進み、一定のユーザー基盤やプロダクトが形成されていることを条件とする。そのうえで、DeNAでの事業拡大を見送った事業が対象となる。
事業責任者はDeNAを退職して新会社を設立し、代表として事業を継続する。事業に携わってきたメンバーも、希望に応じてDeNAを退職し、創業チームとして参画できる。
なお、同制度は社内での事業成功を第一としており、当初からスピンオフを目的に事業を立ち上げる仕組みではない。
DeNAの持分は10%程度、役員も派遣せず
新会社は、DeNAが開発・蓄積したプロダクトやデータ、ユーザー契約などを譲り受け、事業を実施する予定だ。ユーザーや契約相手の同意が必要になる場合は、同意を取得できることが事業承継の前提となる。
資本面では、DeNAは新会社を子会社化せず、設立時に10%程度の株式を保有する。DeNAから取締役や監査役は派遣しない。また、設立時には株主間契約を締結せず、DeNAの関与を株主としての権利範囲に留める。
将来、新会社が投資家と株主間契約を結ぶ場合も、DeNAは経営への関与を求めないとしている。
新会社への事業移管では、可能な限りサービスを継続したかたちでの引き継ぎを目指す。
運転資金は拠出せず、外部からの資金調達先に制限なし
一方、DeNAは新会社の運転資金を拠出しない。資本金と会社の設立費用は創業チームが負担する。
設立後の資金調達先には制限を設けない。創業チームが経営の主導権を持ち、独立したスタートアップとして資金調達できる設計としている。
DeNAによると、事業検証の後半まで進んだ事業では、プロダクトやデータ、ユーザー、取引先との関係などがすでに形成されている場合がある。同社は、こうした事業を引き継ぐことで、ゼロからの起業と比べて立ち上げに必要な時間や費用を短縮できるとしている。
「DeNA Startup Loop」の第四弾に
DeNAは、挑戦の機会提供から成果の還元、再挑戦までを循環させる「DeNA Startup Loop」を展開している。
これまでに、第一弾「コーポレート・スタートアップ・プログラム」、第二弾「ファーストチェック・プログラム」、第三弾「ファウンダーズ・カムバック・プログラム」を発表している。今回の「スタートアップ・スピンオフ・プログラム」が第四弾となる。
今回の制度を利用して退職した事業責任者と共同創業者は、一定の条件を満たした場合、「ファウンダーズ・カムバック・プログラム」の対象になる。条件には、DeNA以外の第三者から株式などによって累計1000万円以上を資金調達することなどが含まれる。
これにより、DeNA内で始めた事業を社外で継続し、その後に再びDeNAで挑戦する選択肢も設ける。同社は今後も「DeNA Startup Loop」のプログラムを順次発表・拡充するとしている。
