
Nexisは10月19日、Mac miniを活用して企業専用の「AIスタッフ」を構築する「AIスタッフ導入支援」の提供を開始した。オフィスに設置したMac miniを24時間稼働させ、社内システムや既存ツールと連携して情報の収集・整理、業務の監視、データの抽出、担当者への通知などを自動化する。企業ごとの業務設計から導入、運用・保守までを一貫して支援する。
人の操作を待たず、定型業務を自動処理
同社は提供の背景として、生成AIを業務で利用する企業が増える一方、決まった手順の事務作業は依然として人の手で行われている点を挙げる。ChatGPTのような対話型AIは基本的に人からの指示を受けて動くのに対し、同サービスでは人が操作していない間も業務を監視し、変化に応じて自動的に処理を実行する。
AIスタッフはMac mini上で常時稼働し、夜間や休日も予定の変更や新たな注文を監視する。写真や請求書、会議の録音から必要な情報を抽出するほか、毎朝の連絡内容の要約、資格・保険の有効期限が近づいた際の通知なども行う。Mac miniはディスプレイやキーボードを接続せず、オフィスに設置して運用できるという。
任せる業務によって異なるものの、基本的には現在利用しているチャットツールやカレンダー、業務システムにMac miniを接続する形をとる。
ローカルAIとクラウドAIを使い分け、運用コストを抑制
同サービスでは、Mac mini上で動作するローカルAIとクラウドAIを組み合わせる。情報の整形や登録といった比較的軽い処理はローカルAIで実行し、高度な推論が必要な場合にクラウドAIを利用する仕組みだ。
ローカルAIとクラウドAIの使い分け、能動的な通知、セキュリティ管理などの特徴
同社によると、Mac miniの本体価格は15万円から、電気代は月1,700円以下という。クラウドAIは導入企業が契約したサービスを使用する。
情報管理については、ローカルAIのみを利用する場合、社内情報は外部に送信されない一方、クラウドAIで処理する場合はAIの提供元(OpenAI、Anthropic)にやり取りが保存されると説明している。導入にあたっては、ローカルAIとクラウドAIの処理範囲や、外部サービスに送信する情報の取り扱いを確認する必要がある。
建設業向けに6つの活用例を公開
同社は、具体的な活用例として建設業界向けの紹介ページを公開した。
例えば、現場からLINEで送られた写真をMac miniが読み取って仕分け、写真台帳の下書きを作成する。作業員の氏名や資格をまとめた名簿から、元請企業ごとに異なる書式の安全書類の下書きを作成することも想定している。
作業員の名簿をもとに、元請企業ごとに異なる書式の安全書類の下書きを作成
このほか、LINEやメール、FAXから届いた現場連絡の毎朝の要約、注文内容の受注リストや予定表への登録、協力会社の請求書と日報・注文書の照合、会議の録音からの議事録の下書き作成などを活用例として挙げている。
LINEやメール、FAXで届いた現場連絡をMac miniが要約し、毎朝LINEで通知する仕組み
注文の登録ではAIが下書きを作成し、事務担当者が確認して確定する。請求書の照合では、人工や金額が一致しないものだけを担当者に通知する。写真台帳の下書きを自動作成する様子は、デモ動画でも公開している。
請求書と日報・注文書を照合し、人工や金額が一致しない請求を担当者に通知
https://www.youtube.com/watch?v=EXKPKhzaCSs
これらは建設業界向けの活用例だが、AIスタッフ自体は業種を問わず、各社の業務に合わせて構築するとしている。
業務設計から導入後の保守まで一貫して支援
導入は、ヒアリング、設定、納品、保守の4段階で進める。まず企業の業務内容を聞き取り、自動化する業務とワークフローを定義。その後、導入企業のMac miniにワークフローを実装し、社内で稼働する状態で納品する。導入後も不具合の修正や設定の調整に対応する。
同社は、同じMac miniでも任せる業務や処理方法によってコストとパフォーマンスが大きく変わるとしており、エンジニアが企業ごとに業務を聞き取り、AIに任せる仕事とその手順を設計する。導入に関する相談は30分のオンライン相談で受け付ける。
また、個別業務の自動化にとどまらず、業務全体をAIの活用を前提に再設計する企業向けには、FDE(Forward Deployed Engineer)が設計から構築・運用までを支援する「AI業務基盤の構築」を別サービスとして提供する。
今回のサービスは、Mac miniを従業員の作業端末ではなく、社内で常時稼働するAIの実行環境として活用するものだ。



