会議資料から教材準備まで。新渡戸文化学園の教員が語る校務Macの使い方②

新渡戸文化学園が採用する、校務端末の選択制。Macを選んだ教員は、普段どのような業務で使っているのでしょうか。国語科の酒井雄大教諭に、MacBook Airで行う校務やiPadとの連係の様子を聞きました。日々の連絡や会議資料の作成に加え、Windowsを併用する業務、保存容量の悩みなど、MacとWindowsが混在する環境で、校務Macを使い続けるための工夫と課題を見ていきます。

校務の中心はクラウド上の共同作業

新渡戸文化中学校・高等学校で国語を教える酒井雄大教諭は、2024年春から学校貸与のMacBook Airを使っています。授業以外の普段の仕事で使用頻度が高いのは、GoogleドキュメントとGoogleスプレッドシートだといいます。

「中学校では、学内ポータルサイトの更新が大きな業務です。今日や来週に何があるのか、時間割や校則など、児童生徒に必要な情報をまとめ、日々の連絡を更新しています」(酒井教諭)

このサイトは、学校が配布したGoogleアカウントで閲覧する仕組みです。また、「Google Classroom」も授業や学年・クラスの連絡などに利用しています。基本的に、教員はMacから情報を発信し、児童生徒は自分のiPadで確認できる仕組みです。

教職員の会議では、共有したドキュメントを見ながら話を進め、関連する資料にもそこからアクセスします。Googleスライドでの資料作成も含め、クラウド上のツールが日常の校務を支えていて、MacとWindowsが混在する中でも共通の環境で校務を進められています。

学内ポータルサイトによって、日々の情報が児童生徒と共有されています。

授業では純正アプリと紙を使い分ける

酒井教諭は、提出物の受け取りにはGoogle Classroomや「ロイロノート・スクール」を使う一方、表現を工夫する活動ではApple純正アプリも選んでいます。たとえば「Pages」は、児童生徒が自分の考えや調べたテーマをレポートにまとめる課題で使います。

「個人的には、作品として仕上げるときにApple純正アプリを使いたいと思っています。Pages以外にも、『Keynote』にはスライドを自分で作り込む楽しさがあります」(酒井教諭)

児童生徒と教員が共通のアプリを使えることは、教材の準備や提出物を扱ううえでも、Macを選ぶ理由になっています。ただし、学校全体で使うアプリを一律にそろえているわけではなく、「Canva」などを用いて児童生徒が発表資料を作ることもあるといいます。

一方で、デジタル化が進んでも紙を用いるシーンも残っています。酒井教諭の授業では、普段の課題はデジタルで完結することが多いですが、漢字や単元のテストではプリントを使います。また、文化祭の「新渡戸祭」や、成果を発表する「スタディフェスタ」などでは、児童生徒がiPadでデザインしたポスターを拡大印刷するために、職員室のプリンタが用いられることもあります。

「紙の実物が目の前にあったほうが、生徒が実感しやすいこともあります。職員会議はかなりの部分でペーパーレスですが、教育活動では目的に応じて紙も使っています」(酒井教諭)

授業では課題に応じてデジタルと紙が使い分けられています。

Mac非対応ソフトを使う校務ではWindowsを併用

校務の多くをMacで進める酒井教諭ですが、Windowsを使う場面もあります。たとえば、読みの補助が必要な児童生徒への合理的配慮として、テストの問題文にふりがなを付ける作業があります。

その際に使う「一太郎」はMac非対応のため、以前から貸与されていたWindows端末を併用しています。また、Macでは動作しない漢字テスト作成ソフトも一部あるといいます。

「WordやExcelはどちらでも使えますが、一太郎などを使いたいときはどうしてもWindowsが必要です。また、以前のデータにアクセスするためにWindowsを選ばれる先生もいます」(酒井教諭)

M2チップと8GBメモリを搭載したMacBook Airの性能には、大きな不満は感じていないという酒井教諭。ただし、授業や部活動で扱う写真・動画、オンライン会議の録画データなどが蓄積し、内蔵ストレージの空き容量を確保するために、定期的な整理が必要になることもあります。

「私は動画編集を頻繁にするわけではないので、性能面で不便は感じていません。ただ、録画した動画などがたまると、容量が足りなくなることがあります」(酒井教諭)

校務用のMacBook Airを手にする酒井教諭。

管理担当と教員の連携で運用を支える

同学園では、校務Mac全体の管理にMDM(モバイルデバイス管理)の「Jamf Pro」を使っています。対象は学校が配備したMacで、私物のMacやiPhoneは含みません。また、先行して導入した児童生徒用iPadは「OPTiM Biz(旧称:Optimal Biz)」で管理しており、現状は導入経緯に応じて2つの仕組みを使い分けています。

基本的に、端末のトラブルは学内の施設・情報管理課が受け付け、必要に応じて調達先の支援や保守サービスを利用しています。ただし、カード認証が必要な職員室内の印刷機や映像機器との接続など、混在環境での調整作業は今も続いています。

また、複数のサービスやアカウントの連係も、今後の課題として挙げられています。端末の不具合には管理担当者が対応し、アプリの使い方は教員同士でも教え合う。こうした日々の支援が、校務Macを使い続けられる環境を支えています。

(後編に続く)