
企業や学校などの組織では、業務でさまざまなクラウドサービスを利用するようになりました。本来、サービスごとにログイン用のIDとパスワードを入力してサインインする必要がありますが、利用するサービスが増えると管理の手間が増えるだけでなく、パスワードの使い回しなどセキュリティ面のリスクも高まります。
そこで利用されているのが、組織のユーザーの認証情報を一元管理して効率化を図る「IdP」(Identity Provider、アイデンティティプロバイダー)。組織のユーザーIDや認証方法を管理し、認証結果を示す情報(トークン)を連携した外部サービスに共有するシステムのこと。設定次第では、1回のログインで複数のサービスが利用できるようになります。
IdP認証の仕組みとメリット
組織でパソコンなどの端末を利用する際、さまざまな場面で本人認証が求められます。端末自体のログインはもちろん、端末で利用する業務アプリやクラウドサービスの認証も必要になります。特に、組織が利用するアプリやクラウドサービスは年々増加しており、サービスごとにIDとパスワードを入力したり、それぞれの認証情報を個人が管理するのは大変になっています。
利用するサービスが増えるほど、パスワードの使い回しや平易なパスワードの設定が増え、セキュリティの弱体化を招くことにつながりかねません。認証ミスによりアカウントがロックされれば、業務に支障を来すことになります。個々のサービスで認証が必要のままでは、フィッシングメールなどにより偽のサインイン画面に誘導され、アカウント情報が盗まれる危険性もあります。
そこで企業で利用されているのがIdPです。代表的なIdPは「Microsoft Entra ID」「Okta」「Google Workspace」などが存在します。
ユーザーが利用したいサービスにアクセスすると、サービス側がIdPに本人認証を要求します。IdPは、会社のアカウントによるサインインを求め、問題なく認証できればサービス側に認証結果の情報をトークンなどで渡し、そのサービスでサインインできるようになります。SSO(シングルサインオン)と組み合わせれば、連携しているほかのサービスもその認証結果が受け取れるので、しばらくの間は改めてIDやパスワードを入力することなくサインインできます。
パスワード自体をサービス側に渡すわけではないので、サービス側からパスワードが漏洩するリスクを減らせるメリットもあります。
MacではmacOSのログイン認証と連携する機能も
macOSでは「Platform SSO」(Platform Single Sign-On)という仕組みが用意され、企業が利用しているIdPとmacOSのログイン認証を連携できます。事前にMDMで設定を済ませておけば、IdPの認証情報を使ってMacにログインし、連携している各種サービスにもサインインできます。Touch IDを活用したパスワードレス認証にも対応します。