日本車両とNECは10月13日、鉄道車両の設計効率化や設計品質の向上、鉄道事業者の業務支援を目的としたVRアプリケーションを共同開発したことを発表した。

車両の構造や設備配置を仮想空間内で確認できるほか、鉄道事業者の保守作業や運転取扱い、清掃作業などをシミュレーションすることも可能だという。

両社はすでに同アプリケーションを実際の鉄道車両開発における設計レビューに適用しており、実業務での活用を進めている。

  • VRを取り入れた設計レビューの様子

    VRを取り入れた設計レビューの様子

VR空間で車両の設計を確認、設計品質の向上を支援

今回開発したアプリケーションでは、鉄道車両の3Dデータを活用し、車両をVR空間上で再現する。設計者はVRゴーグルを装着することで、実際の車両に近い感覚で車内や設備の配置を確認できる。

同アプリケーションを活用することで、実際の車両を製造する前に、VR空間上で設備の配置や作業性などを確認できる。

また、VR空間内では実際の車両を製造する前に、設備の配置や作業時の動線などを確認することが可能。設計段階での課題の発見や改善につなげることで、設計の効率化とさらなる品質向上に貢献するとしている。

さらに、鉄道事業者と連携し、過去の検討事例などを設計レビューに活用することで、設計段階から鉄道事業者の意見を反映しやすくなることも特徴だ。

車両の保守作業や運転取扱いのシミュレーションにも対応

同アプリケーションは、鉄道車両の設計だけでなく、鉄道事業者の業務支援にも活用できる。

VR空間上では、車両を構成する部品を保守作業で扱う単位ごとに自由に動かすことができるほか、工具の3Dモデルを配置し、作業性を検討することも可能。部品ごとの重量や材質などの情報も表示できるため、保守作業を想定した検証に活用できる。

これにより、保守作業を想定した検討や、車両に搭載する機器の取り扱いに関する事前確認などを、実際の車両を使用せずに行えるという。

また、乗務員や清掃スタッフの教育・訓練にも活用できる。例えば、運転台における機器類の取り扱いを確認できるほか、VR空間に仮想の乗客を配置し、異常時対応や乗降介助、避難誘導などの訓練を行うことも可能だ。清掃作業時の動線確認にも対応する。